北アメリカの白亜紀後期、約6805万年~6550万年前の地層から産出した草食恐竜。鳥盤目周飾頭(しゅうしょくとう)類(亜目)角竜類(つのりゅうるい)(下目)ネオケラトプス類(新角竜類)ケラトプス科Ceratopsidaeカスモサウルス亜科Chasmosaurinaeに属する。四本肢(あし)で全長6~9メートル、体重8.5トン。目の上に1本ずつの長い角と、鼻の上に1本の短く太い角をもっていた。頭の半分が頸(くび)の上に伸びた大きなフリル(ひだ飾り)で占められている。フリルはディスプレー器官としての役割もあったといわれる。敵を突き倒すために、長い二つの角を前方に向け、発達した頸の筋肉を使って頭を下げ、力強く突進したことが想像される。角をもった恐竜の頭骨には、多発性骨髄腫(しゅ)という骨髄の悪性腫瘍(しゅよう)の証拠と考えられる骨の孔(あな)がしばしば残されている。強い肢と短く広い足をもち、臀部(でんぶ)の高さは約2メートル半。白亜紀の最後まで生存した恐竜である。
[小畠郁生]
『佐藤哲、ネイチャー・プロ編集室構成・文『恐竜の行動とくらし6 トリケラトプス――角竜は巨大な角を何につかっていたのか』(1995・偕成社)』
白亜紀後期に生存した最大の角竜。体長9mに達するものもいた。体重は推定5~6tで雄の成ゾウぐらいである。頭骨は大きく,体長の1/3ほどになる。口先は鳥のようにくちばし状となる。四足歩行で植食性。頭蓋には3個の角(鼻の上に小さい角が1個,目の上に大きい角が左右各1個)が発達する。命名者マーシュO.C. Marshは北アメリカのコロラドで発見された角の化石を野牛の角と考えたが,その後他所から発掘された頭骨や骨格から恐竜であることがわかり,1889年にトリケラトプスと名付けた。現在,頭骨だけで何百個も発見されている。この属は頭骨の襟が短い系統の頂点に立つものである。北アメリカのモンタナ,ワイオミング,コロラドやカナダのアルバータなどに分布していた。ほとんどが白亜紀後期の地層から発見される。その生存期限は短く,恐竜時代の最後を飾った一つの代表的な恐竜である。十数種類が知られている。
執筆者:長谷川 善和
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…また,各種属のものはそれぞれに年齢とともに段階的に変化がみられる。角はプロトケラトプスではほとんど発達せず,モノクロニウスMonocloniusでは鼻の上に1本,トリケラトプスなどでは鼻の上の角が小さく,目の上の左右2個の角が大きくなる。角の表面にはケラチン質の鞘(さや)があったらしく凸凹がある。…
※「トリケラトプス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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