トレス(Camilo Torres Restrepo)(読み)とれす(英語表記)Camilo Torres Restrepo

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

トレス(Camilo Torres Restrepo)
とれす
Camilo Torres Restrepo
(1927―1966)

コロンビアのカトリック神父、社会学者。聖職にありながら社会改革に取り組み、ゲリラに身を投じたところから「解放神学者」の先駆者の一人といわれる。ボゴタの名門出身で、ローマ・カトリック神学校で学んだのち、1954年ベルギーのルーバン大学で社会学、とくに都市の貧困問題を研究した。1959年末に帰国し、司祭を務めるかたわら国立大学に社会学部を創設、その部長となった。1962年大学紛争で教職を捨て、農地改革局のメンバーとして土地改革などに取り組んだ。1965年、社会改革のためには権力を握らなければならないという考えからゲリラ組織の民族解放軍に加わり、1966年2月政府軍との戦闘で死亡した。

[後藤政子 2017年11月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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