ドップラー(英語表記)Johann Christian Doppler

精選版 日本国語大辞典 「ドップラー」の意味・読み・例文・類語

ドップラー

(Johann Christian Doppler ヨハン=クリスチャン━) オーストリア物理学者。「ドップラー効果」の発見者として有名。(一八〇三‐五三

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デジタル大辞泉 「ドップラー」の意味・読み・例文・類語

ドップラー(Christian Andreas Doppler)

[1803~1853]オーストリアの物理学者。ドップラー効果の発見者。

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改訂新版 世界大百科事典 「ドップラー」の意味・わかりやすい解説

ドップラー
Johann Christian Doppler
生没年:1803-53

オーストリアの物理学者。ザルツブルクに石工の息子として生まれたが,病弱であったため石工になることをあきらめ,1822年から4年間ウィーンの工芸学校に通った。35年にはアメリカ移住を決意してミュンヘンまでいったが,結局プラハの州立中等学校の数学と会計学の教授職につき,その後41年には,プラハの国立工業大学に移り,基礎数学と実用幾何学の教授となった。42年に,《二重星と若干の他の天体の色光について》と題する論文を発表し,その中で観測される波の振動数が,波の伝搬する媒体に対する波源の運動や観測者の運動に関係すること,すなわちドップラー効果の存在を明らかにし,さらに46年の論文では,波源と観測者双方が同時に運動する場合へ拡張した。音に関するドップラー効果の検証は,1845年にオランダのバイス・バロットChristoph Hendrik Diederik Buys-Ballot(1817-90)がユトレヒトで,トランペッターをのせた機関車を使用して行った。一方,光に関しては,その本格的な検証は適当な分光器が開発される時期まで待たねばならなかった。50年にウィーンに戻ったドップラーは,ウィーン大学実験物理学教授となったが,52年肺を病んでベネチア転地,翌年その地で死んだ。
執筆者:

ドップラー
Albert Franz Doppler
生没年:1821-83

オーストリアのフルート奏者,作曲家,指揮者。レンベルク(現,ウクライナのリボフ)に生まれ,13歳のときウィーンでデビュー。弟のカールとともに演奏旅行を行った後,ハンガリーのペストに移り,管弦楽団で首席フルート奏者を務め,オペラを作曲。1865年よりウィーン音楽院でフルートを教えた。代表作《ハンガリー田園幻想曲》は,とくに日本に愛好者が多い。弟カールKarl(Károly)Doppler(1825-1900)もフルート奏者,作曲家,指揮者として知られ,おもにハンガリーで活動し,1865年から98年にはシュトゥットガルトで宮廷楽長を務めた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドップラー」の意味・わかりやすい解説

ドップラー
Doppler, Albert Franz

[生]1821.10.16. レンベルク
[没]1883.7.27. ウィーン近郊バーデン
オーストリアのフルート奏者,指揮者,作曲家。オーボエ奏者の父から教育を受け,1847年ブダペスト歌劇場の首席フルート奏者,58年ウィーン宮廷歌劇場の首席フルート奏者ならびにバレエの指揮者,65年からウィーン音楽院のフルート科教授をつとめた。作品にはオペラ『ユデット』 Judith (1870) を含む数曲のオペラ,バレエ音楽,オーケストラ作品,フルート協奏曲などがあるが,日本ではフルート独奏の小品『ハンガリー田園幻想曲』が愛好されている。

ドップラー
Doppler, Christian Johann

[生]1803.11.29. ザルツブルク
[没]1853.3.17. ベネチア
オーストリアの物理学者。ウィーン工科大学に学び,プラハ国立工業大学数学教授 (1835) を経て,ウィーン大学教授 (50) 。光の振動数と光源の速度との関係を説くドップラー効果を提唱。これはのちに音の現象にも適用された。この現象は,天体観測やメスバウアー効果の測定などに広く用いられている。

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百科事典マイペディア 「ドップラー」の意味・わかりやすい解説

ドップラー

オーストリアの物理学者。ザルツブルクとウィーンで学び,1841年プラハ国立工業大学教授,1850年ウィーン大学教授。1842年音と光についてドップラー効果の存在を提唱,これにより二重星などの光の色の変化を説明。

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