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ドラゴー主義 ドラゴーしゅぎDrago doctrine

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ドラゴー主義
ドラゴーしゅぎ
Drago doctrine

国家は,自国民が外国政府に対してもっている債権を回収するために武力を行使してはならないとする主義。 1902年 12月 29日アルゼンチンの外相 L.ドラゴーはベネズエラに対するイギリス,ドイツ,イタリア3国の共同武力干渉紛争に際してアメリカに覚え書を送り,国家は外国が自国民に対して負っている契約上の負債の支払いを保証するために軍事力を使用する権限をもっていないし,その軍事力の使用は債務国に対する干渉となると主張して,上記のヨーロッパ3国の行為を非難した。この主義は 07年の第2回ハーグ平和会議において,契約上の債務回収のためにする兵力使用の制限に関する条約として承認された。 (→カルボー条項 )

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ドラゴー主義
どらごーしゅぎ
Drago doctrine

1902年のベネズエラ危機に際して、アルゼンチン外相ドラゴーLuis Maria Drago(1859―1921)が宣言した政策原理。ヨーロッパ諸国は、中南米諸国民から債権を徴集するために武力を行使してはならず、自己の責任で投資すべきであるというもの。ベネズエラの大統領カストロCipriano Castro(1858―1924)の財政が破産に瀕(ひん)し、イギリス、ドイツ、イタリア三国は債権取り立てのため軍艦を派遣してベネズエラを海上封鎖、沿岸を砲撃したが、アメリカ合衆国の仲介で解決した。アメリカのT・ルーズベルト大統領はドラゴー主義を修正し、モンロー主義の拡大解釈を行った(1904)が、07年の第2回ハーグ国際平和会議でこの原理は承認された。[高橋 章]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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