ドラマ(読み)どらま(英語表記)Dráma

デジタル大辞泉 「ドラマ」の意味・読み・例文・類語

ドラマ(drama)

演劇。芝居。「テレビドラマ
戯曲。脚本。「ドラマを書く」
劇的な出来事。劇的事件。「旅先でドラマがある」
[類語]演劇芝居猿芝居

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精選版 日本国語大辞典 「ドラマ」の意味・読み・例文・類語

ドラマ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] drama )
  2. 演劇。劇。現代では多く、ラジオ・テレビの番組として制作・放送されたものをいう。また、人生をこれに見たてていうこともある。
    1. [初出の実例]「我世の伝奇(ドラマ)の全局を見わたせば」(出典即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉わが最初境界)
  3. 文学ジャンルの一つとしての)戯曲。脚本。
    1. [初出の実例]「戯曲(ドラマ) 戯曲文章は社会の交際活業上生色ありて」(出典:修辞及華文(1879)〈菊池大麓訳〉詩文の術)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドラマ」の意味・わかりやすい解説

ドラマ(劇)
どらま
drama

ギリシア語の「行動する」を意味する動詞ドラーンdrānに由来し、普通「劇」と訳されるが、理念と上演様式に分けて考えねばならない。理念としては、何者かとの対立を契機としてあらわになる人間の主体的存在を中心的かつ効果的に表現する一連のできごとをさし、「このダンスにはドラマがある」といったとき、こうした理念の内在することを意味する。一方、上演様式としてのドラマは、この理念の実人生的洞察に満ちた表現そのものを目的とする上演作品をさす。なお、この理念にのっとり、対話の形式で文字に固定したもの、すなわち「戯曲」がドラマの名でよばれることもある。また、18世紀フランスの啓蒙(けいもう)思想家ディドロが唱えた「市民劇」drameをドラマとよぶ場合がある。これは、王侯貴族の活躍する劇は悲劇、庶民の活躍するものは喜劇といった従来の区別を排して、悲喜こもごもする市民階級の生活と感情を写実的に描こうとしたもので、「近代劇」の先駆となった。

[高師昭南]


ドラマ(ギリシア)
どらま
Dráma

ギリシア北東部、ドラマ県の県都。テッサロニキの北東195キロメートルに位置する。古称ドラベスクスDrabescus。人口5万5632(2001)。商業たばこ産業の中心地。1913年にギリシア領となる。1922年トルコとの住民交換の結果、ギリシア人避難民によって人口が2倍に増大した。

 ドラマ県はマケドニア地方東部の県で、面積3468平方キロメートル、人口10万5300(2003推計)。水資源と平野に恵まれ、たばこの産地として知られる。

[真下とも子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドラマ」の意味・わかりやすい解説

ドラマ
Dhráma

ギリシア北部,マケドニア地方東部の都市。セサロニキの東北東約 120km,ドラマ平野の北縁に位置する。 18世紀に南東のフィリッピに代ってこの平野の中心地になったが,第1次世界大戦まではトルコ風の小さな町であった。戦後トルコ (オスマン帝国) とギリシアの間で結ばれた住民交換協定によってトルコ系住民が去ったあと,トルコに住んでいたギリシア人が流入,人口がほぼ倍増した。タバコ栽培地帯の中心地で,タバコ研究所がある。セサロニキと鉄道で結ばれ,南東のエーゲ海の港カバラへ道路が通じる。人口3万 9914 (1991推計) 。大都市圏9万 6978 (1991推計) 。

ドラマ
drama; drame

ギリシア語のドラン (行動する) に由来し,一般に戯曲の意味に用いられるが,演劇学上の概念としては,悲劇や喜劇のいずれのジャンルにも属さない劇をいう。 18世紀の中頃にフランスに興り,D.ディドロの作品にみられるように中産階級の生活をシリアスに描いた市民劇が代表的なもの。

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百科事典マイペディア 「ドラマ」の意味・わかりやすい解説

ドラマ

演劇戯曲

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改訂新版 世界大百科事典 「ドラマ」の意味・わかりやすい解説

ドラマ
drama

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デジタル大辞泉プラス 「ドラマ」の解説

ドラマ

イギリスのプログレッシブロック・バンド、イエスのアルバム。1980年発表。全英アルバムチャート2位を記録。原題《Drama》。

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世界大百科事典(旧版)内のドラマの言及

【演劇】より

…しかし各国語の間で意味の広がりは異なって,〈見物席〉が〈劇場〉となるのはどの国語も同じであるが,この語が同時に〈劇場〉と〈舞台表現の総体〉と〈一作家の戯曲の総体〉を指しうるのはフランス語においてである。また,ギリシア語語源からすればテアトロンと並んで重要であり,同じく部分で全体を表すことになるギリシア語drama(ドラマ。行動の意)は,英語drama(ドラマ)では筋と登場人物をもつ舞台表現を広く指すが(つまり演劇である),フランス語でdrame(ドラム)といえば,作品の内容を指すか,18世紀にディドロが主張した市民劇に発する19世紀ロマン派以降の劇作術上の一ジャンルを指す(ただし形容詞のdramatiqueはより広く用いうる)。…

【戯曲】より


[文学と〈戯曲〉]
 〈戯曲〉という概念は,近代の日本語に固有のものであって,少なくとも西洋にはこの観念はない。ドラマといえば,もちろん演劇そのものをさす言葉であるし,英語の〈プレイplay〉も,読む戯曲を示すと同時に,舞台上で演じられる演劇を意味している。ドイツ語の〈テアーターシュトゥックTheaterstück〉,フランス語の〈ピエス・ド・テアートルpièce de théâtre〉は,いずれも文字通り〈演劇作品〉の意であって,それがそのまま文学としての戯曲の意味でも使われている。…

【近代劇】より

…庶民の出る劇は喜劇に限るとする伝統を破って市民悲劇が登場するのはブルジョアジーの台頭と軌を一にするが,その早い例の一つ,G.リッロ(1693‐1739)の《ロンドンの商人》(1731)はロンドンはおろか大陸でも大当りし,ドイツのレッシングに市民悲劇の傑作《ミス・サラ・サンプソン》(1755)を書くきっかけを与えた。同じころフランスのD.ディドロは市民生活に題材をとったまじめな劇を提唱し,悲劇でも喜劇でもない新しい〈ドラマdrame〉なるジャンルを定式化した。彼の理論を受けて新興ブルジョアジーの活力を存分に示したのが,大革命間近いころのボーマルシェの《セビリャの理髪師》(1775初演)と《フィガロの結婚》(1784初演)である。…

※「ドラマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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