デジタル大辞泉
「猿芝居」の意味・読み・例文・類語
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さる‐しばい‥しばゐ【猿芝居】
- 〘 名詞 〙
- ① 見世物の一種。猿に、衣装やかつらなどをつけさせて、いろいろの芸を行なわせるもの。猿歌舞伎。
- [初出の実例]「まいてゐてとめはをしらぬ猿しばい」(出典:雑俳・花笠(1705))
- ② へたな演劇をあざけっていう語。
- ③ ( 一般的に ) すぐに見すかされてしまうような浅はかでおろかなたくらみや言動。
- [初出の実例]「薄っぺらな男の好みにおだてられて、猿芝居(サルシバヰ)をしてゐる、その嘘ばっかりのうはべが見え透いて、私はつらくなる」(出典:浅草日記(1930)〈川端康成〉)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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猿芝居
さるしばい
見せ物芸能の一種で、猿に芸を仕込んで芝居をさせるもの。猿回しの系統に属する。すでに寛文(かんぶん)(1661~73)ごろから、猿と犬や鼠(ねずみ)、猫などとをいっしょに芝居させることが行われていた。貞享(じょうきょう)(1684~88)のころ、江戸・湯島天神前の水右衛門という者があらゆる動物を仕込む名人として有名であったという。のちには、猿にかつらをつけ、衣装を着せて、三味線、太鼓もにぎやかに踊りをさせたり、歌舞伎(かぶき)の一くだりを演じたりもした。江戸の太夫元(たゆうもと)は小川門太夫といって明治まで9代続いた。三番叟(さんばそう)、一の谷の組打ち、忠臣蔵の五段目など、時々の流行演目を小屋掛けの見せ物か大道で演じさせた。明治以降も、金色夜叉(こんじきやしゃ)、月形半平太、肉弾三勇士、継子(ままこ)いじめなどといった新派や映画からの取込み物や時局物を臨機応変に猿芝居化していたが、見られなくなって久しい。なお一般には、下手(へた)なたくらみ、あさはかな企てをあざ笑っていうことばとして用いられる。
[織田紘二]
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猿芝居 (さるしばい)
大道芸の一種。猿に芸を仕込んで芝居をさせる見世物。猿回しの系統を引くもので,天明(1781-89)ころから本格的に行われるようになった。猿に衣装や鬘(かつら)をつけ,歌舞伎の人気役者をまねた振りを三味線,太鼓に合わせて演じさせるもので,猿は太夫の口上やせりふにつれてそれらしい所作を演じた。《三番叟》《お軽勘平道行》《山崎街道》《一の谷の組討》《道成寺》《石童丸》などの演目があった。犬との共演も多く〈犬芝居〉ということもある。
執筆者:織田 紘二
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猿芝居【さるしばい】
サルに芝居させる見世物。猿回しの系統をひくもので,江戸時代に盛んに行われ,小川門太夫一座が有名。太夫がサルを綱であやつって《三番叟(さんばそう)》《忠臣蔵》などを演じたが,これにイヌが参加することが多く,ネコ,ネズミを一緒に芝居させたものもあった。
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