日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドリトル先生物語」の意味・わかりやすい解説
ドリトル先生物語
どりとるせんせいものがたり
The Story of Dr. Dolittle
イギリス生まれのアメリカ児童文学作家ロフティングの童話。温厚で風変わりな動物医者ドリトル先生が、オウムのポリネシアから動物語を学び、サルの伝染病を治しにアフリカに出かける話を皮切りに、奇想天外に繰り広げられる愉快な冒険物語。『ドリトル先生アフリカ行き』(1920)以下、12巻の連作になっている。いずれも動物愛護の精神に立脚しているが、押し付けがましさがなく、独特のユーモアにあふれている。日本では戦前から井伏鱒二(いぶせますじ)訳で知られ、子供たちに親しまれている。
[八木田宜子]
『井伏鱒二訳『ドリトル先生物語全集』全12巻(1961~62・岩波書店)』