コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ニセアカシア Robinia pseudo-acacia; black locust

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ニセアカシア
Robinia pseudo-acacia; black locust

マメ科の落高木で,ハリエンジュとも呼ばれる。北アメリカ原産で,1877年頃日本に伝えられ,現在各地で庭木や街路樹として植えられている。また崩壊性の地形にもよく育つので砂防工事などにも植えられる。幹に縦に走る深い割れ目ができる。有柄の大きな奇数羽状複葉を互生し,小葉は卵形または楕円形で,各葉に9~19枚つく。托葉は通常針状のとげになる。初夏に,その年伸びた小枝の葉腋からフジに似た大きな総状花序を垂らし,白色または淡紅色の蝶形花を多数つける。花は芳香があり蜜を出す。果実は広線形の莢で,平たく無毛。一般にアカシアと呼ばれているが,本来のアカシア属 Acaciaは同じマメ科ではあるが蝶形花をつけない一群で,オーストラリアやアフリカなど熱帯地方に多く,冷温帯性のこのニセアカシアとはまったく別である。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

ニセアカシア

北米原産のマメ科の落葉高木。初夏に白い花をつけ、枝には細かいとげがある。明治期に日本に入って街路樹として広まったが、環境省は「日本固有種の成長を妨げる」として伐採などが必要な「特定外来生物」の候補にした。日本で「アカシア」と呼ばれる木のほとんどがこの種類だ。

(2006-08-15 朝日新聞 朝刊 北海道総合)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について | 情報

百科事典マイペディアの解説

ニセアカシア

ハリエンジュ

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ニセアカシア【false acacia】

一名ハリエンジュ(イラスト)。英名ではblack locust,yellow locustともいう。北アメリカ東部~中部原産のマメ科の落葉高木で,世界各地に植えられる。日本には明治はじめころ渡来した。じょうぶで生長が早く,アカシアの俗称で,街路樹,砂防用などとして広く植えられた。根から萌芽する性質が強く,しばしば野生化している。高さ10~15m,直径30~40cm程度までがふつうだが,大きいものでは高さ30m,直径80cm~1.2mになることがある。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ニセアカシア
にせあかしあ
locust-tree
[学]Robinia pseudo-acacia L.

マメ科の落葉高木。枝葉がエンジュに以ているが刺(とげ)があるのでハリエンジュ(針槐樹)ともいう。高さ15~20メートル。樹皮は灰褐色で縦に割れ目ができ、枝に托葉(たくよう)の変化した刺が対生する。葉は互生し、奇数羽状複葉。小葉は9~19枚、長楕円(ちょうだえん)形で長さ2~3.5センチメートル、質は薄く、縁(へり)に鋸歯(きょし)はない。5~6月、葉腋(ようえき)に長さ10~15センチメートルの総状花序を垂れ下げ、蝶(ちょう)形で長さ1.5~2センチメートルの白色花を多数開く。芳香があり、良質の蜜(みつ)が多く、よい蜜源になる。果実は広線形で長さ7~8センチメートル、平たい鞘(さや)になり、毛はない。中に腎(じん)形で扁平(へんぺい)な長さ5~6ミリメートルの黒褐色の種子を4~7個含む。北アメリカ原産。1874年(明治7)街路樹、庭園樹用として輸入された。砂防用植栽木、肥料木に使われ、材は堅くて重く、土木用材、薪炭材に、葉は飼料とする。北海道などでアカシアと誤称されているのは本種である。品種に刺のないチントウトゲナシニセアカシア、低木状のエイコクトゲナシニセアカシアがあり、葉が黄緑色の品種もある。陽樹で乾燥に耐え、耐寒性が強く、土地を選ばず、成長は速い。萌芽(ほうが)力も強く、根から新しい苗が出る。繁殖は実生(みしょう)、根分け、挿木などにより、挿木は根挿しが容易である。[小林義雄]

文化史

本来のアカシア(属)は花弁が同形で小さく、かわりに多数の雄しべが球状に展開して目だつ点で、蝶形花(ちょうけいか)の本種とは区別できる。アメリカ・インディアンは種子を食用にした。ただし、植物体にはクリサロビン、ピペロナール、サンギナリンなどの有害物質を含む。札幌のニセアカシアは、1881年(明治14)東京・青山開拓使試験場から苗が移され、1885年停車場通りに植えたのが始まりとされる。北原白秋の『道』は1925年(大正14)白秋が札幌を訪れ、郷里柳川(やながわ)のニセアカシアを思い出してつくったと伝わる。[湯浅浩史]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

ニセアカシアの関連キーワードベッコウタケ(鼈甲茸)マメアブラムシシロスジコガネ根粒バクテリアトラフシジミピペロナールマメゾウムシクワカミキリ根(植物)ルリシジミとげ(棘)鳥取砂丘内灘砂丘虹ノ松原肥料木不定芽針槐飼料養蜂挿木

今日のキーワード

分水嶺

1 分水界になっている山稜(さんりょう)。分水山脈。2 《1が、雨水が異なる水系に分かれる場所であることから》物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

ニセアカシアの関連情報