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ニッケルカドミウム蓄電池 ニッケルカドミウムチクデンチ

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デジタル大辞泉の解説

ニッケルカドミウム‐ちくでんち【ニッケルカドミウム蓄電池】

ニッケルカドミウム電池

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ニッケルカドミウム蓄電池
にっけるかどみうむちくでんち
nickel-cadmium batterycadmiun-nickel storage cellnickel-cadmium rechargeable cellJungner batterynicad battery

1899年にスウェーデンのユングナーWaldemar Jungner(1869―1924)により発明されたアルカリ蓄電池。正極活物質にオキシ水酸化ニッケルNiOOH、負極活物質にカドミウムCd、電解液には25~40%の水酸化カリウムKOHを含む濃厚なアルカリ水溶液を用いるもので、ユングナー電池あるいはニカド電池ともいわれる。なお、アルカリ蓄電池アルカリ性電解液を使用する蓄電池の総称であるが、ニッケルカドミウム蓄電池がそのもっとも代表的なものであるので、ニッケルカドミウム蓄電池の別称となっている。
 ニッケルカドミウム蓄電池は放電すると
 (正極)
  NiOOH+H2O+e-―→Ni(OH)2+OH-
 (負極)
  Cd+2OH-―→Cd(OH)2+2e-
 (全体)
  2NiOOH+Cd+2H2O
   ―→2Ni(OH)2+Cd(OH)2
の反応が進む。充電ではこれらの逆反応である。全電池反応では見かけ上、水酸イオンOH-は関与していないがH2Oが関係しており、電解液濃度が変化する。しかしその変化量は鉛蓄電池に比べて小さい。起電力は1.32ボルト、公称電圧は1.2ボルトである。過放電、過充電、長期放置などの苛酷(かこく)な使用条件に耐えることができる。
 負極活物質のカドミウムの当量数を正極活物質のオキシ水酸化ニッケルのそれよりも1.5~2.0倍多くすると、充電末期に正極で酸素が発生し始めても、負極のカドミウムは水素過電圧が大きいこともあって水素が発生せず、しかもカドミウムは酸素との反応性が高いので放電形の水酸化カドミウムに戻り、負極はつねに完全に充電されない状態に保たれて、水素の発生を抑えることができる。したがって、このような構成のニッケルカドミウム蓄電池は密閉しても充電時に水素と酸素の発生を抑制でき、内圧の上昇による爆発や損傷の危険性は少ない。そのため安全装置としてガス排出弁などを備え、電解液の補充を必要とせず密閉状態のままで作動するように設計されたメンテナンスフリーの密閉形ニッケルカドミウム蓄電池が生産されるようになった。この密閉形は1947年ごろから可能になり、わが国では1964年(昭和39)に三洋電機が初めて量産し、1980年代に大きく成長した。現在ではほとんどが密閉形であり、円筒形、コイン形や角形がある。
 1990年までは、蓄電池はそのほとんどを鉛蓄電池とニッケルカドミウム蓄電池が占めてきた。いずれも長い歴史を有するものであり、信頼性、充放電効率、高負荷放電特性、エネルギー密度などの点でそれまでのほかの蓄電池より優れていたためである。とくにニッケルカドミウム蓄電池はコストが安く、大電流放電、急速充電が可能で、長寿命、保守の容易さなどから、携帯用やコードレス電気機器、バックアップ用、非常警報機、非常照明など広い分野で使用されてきた。しかし90年には高容量のニッケル水素蓄電池が実用化され、91年に商品化されたリチウムイオン二次電池はエネルギー密度がそのニッケル水素蓄電池の2倍という高性能で、それらの生産量が急速に拡大した。これに対し、カドミウムは環境汚染の懸念もあり、ニッケルカドミウム蓄電池のシェアは94年をピークに減少してきており、2002年には11%弱にまで落ちてニッケル水素蓄電池よりも少なくなっている。ニッケルカドミウム蓄電池では環境の保全と資源のリサイクル活用を図るために、再生資源化促進のためのマークの表示が規定されている。[浅野 満]
『高村勉・佐藤祐一著『ユーザーのための電池読本』(1988・コロナ社) ▽小久見善八編著『電気化学』(2000・オーム社) ▽電気化学会編『電気化学便覧』(2000・丸善) ▽電池便覧編集委員会編『電池便覧』(2001・丸善) ▽『二次電池の開発と材料』普及版(2002・シーエムシー出版)』

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