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ニンニク

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栄養・生化学辞典の解説

ニンニク

 [Allium sativum].ガーリックともいう.ユリ目ユリ科ネギ属の多年草.ネギ類の一種.スパイスとしても使い,野菜としても食用にする.

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百科事典マイペディアの解説

ニンニク

ガーリックとも。西アジア原産といわれるユリ科の多年草。オオニンニクとヒメニンニクとがあり,ふつう前者をさす。花茎は高さ60cm以上で,下部が鞘状になった扁平な葉を2〜3枚出す。

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食の医学館の解説

にんにく【ニンニク】

《栄養と働き》
 ニンニクはユリ科のネギ属で、わが国には中国から平安時代以前に渡来したと考えられています。
 代表的な品種はホワイト六片種で、旬(しゅん)は春から初夏にかけてです。ほかに若い葉を収穫した葉ニンニクや若い花茎を食用にする茎ニンニク(ニンニクの芽)があります。
 古代エジプトでは、ピラミッドをつくった作業員たちに強壮剤として支給されていたのがニンニクです。彼らが粗末な食生活にもかかわらず、重労働に耐えられたのはニンニクの効用のおかげともいえます。
ビタミンB1とにおいのモトが組み合わさり、スタミナ補給〉
○栄養成分としての働き
 ニンニクがスタミナ補給源として効果を発揮するのは、アリインという成分の働きによるものです。アリインはアミノ酸の一種であり、ニンニクを切ったりすりおろしたりすることによって、アリナーゼという酵素の作用でアリシンという成分にかわります。
 アリシンは硫化(りゅうか)アリルの一種で、体内でビタミンB1と結合してアリチアミンという物質になります。この物質がB1の吸収を促進し、スタミナ補給に役立つのです。ニンニク自体にもビタミンB1が豊富なので、疲労回復には最適な食品といえます。
動脈硬化、がんにも働くにおいのモト〉
 また、アリシンは血中コレステロールの上昇を抑える働きもあるので、動脈硬化予防にも有効です。
 ニンニクに含まれるアリシンその他の硫化アリル類には強力な殺菌作用もあり、かぜなどのウイルスにも効力を発揮します。
 ニンニクのにおい成分には、活性酸素を消去する強力な抗酸化作用もあります。
 におい成分の正体はアリシンなどの数十種類の硫黄化合物で、この硫黄(いおう)化合物に解毒酵素誘導(げどくこうそゆうどう)作用や抗酸化作用が認められているのです。したがって、がん予防の強い味方となってくれます。
 このにおい成分はネギ類の野菜に共通して含まれていますが、とりわけニンニクの抗酸化作用が際立っていることがわかっています。
 その他、スコリナジンという成分も重要な働きをします。これは新陳代謝(しんちんたいしゃ)を活発にし、食べたものを完全に燃焼させてエネルギーにかえてくれます。カリウムと相まって血圧を下げる作用もあるので、高血圧症改善や肥満予防に役立ちます。
《調理のポイント
 料理の香り付けとして使うほか、丸ごとしょうゆ漬けや味噌漬けにしてそのまま食べてもいいでしょう。
 体力増進にはビタミンB1を含んだ食品、たとえば豚肉、カレイダイズなどといっしょに。
 がん予防にはブロッコリーカリフラワーハクサイダイコンなどのアブラナ科の野菜と組み合わせると抗酸化作用がアップ。カリフラワーやブロッコリーはニンニクを効かせた油でソテーするだけでも、その効果が期待できます。
 ただ、生で一度にたくさんとると胃を荒らしたり、貧血を起こしたりします。
 生で食べるときは1日1片を目安に。加熱調理をしたものは1日3片程度が適量です。

出典|小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ニンニク
にんにく / 葫・大蒜
garlic
[学]Allium sativum L.

ユリ科の多年草。ガーリックの名でよばれることもある。鱗茎(りんけい)は強い辛味と特有の臭気があり、香辛料としまた強壮薬とするために栽培される。原生野生種は未発見であるが、キルギス砂漠地帯が原生地とみられている。栽培の歴史は古く、エジプト、ギリシア時代から栽培、利用があった。イスラムの神話では、悪魔が人間の堕落を見届けてエデンの園の外へ出たとき、左の足跡からニンニクが、右の足跡からタマネギが生えたという。中国へは西方から入り、胡(こ)の国からもたらされた植物という意味で葫の名がついた。日本へは古く中国から入った。鱗茎は球状に肥大し、白または紅色の薄膜に包まれ、内部は数個の小鱗茎に分かれる。葉は灰白色を帯びた緑色で、夏に枯れ、休眠する。しばしば葉腋(ようえき)にむかごをつける。地上茎は葉の間から伸び、茎頂に白紫色の花をつける。花序は鳥のくちばし状に伸びた長い包葉に包まれる。種子はできず、花の中に子苗ができ、これが地に落ちて繁殖する。秋に小鱗茎を植え付け、翌年の初夏に収穫する。現在よく栽培される品種はホワイト六片と壱州早生(いしゅうわせ)である。ホワイト六片は北日本で栽培され、主産地は青森県、壱州早生は西日本で栽培され、四国が主産地である。ほかに遠州早生などが昔から知られた品種である。[星川清親]

文化史

古代ギリシアの歴史家ヘロドトス(前5世紀)によれば、ピラミッド建設に従事したエジプトの労働者が食したという。中国では、『爾雅(じが)』(前2世紀ごろ)に蒜(サン)の名がみえ、『博物志』(3世紀)は、ニンニクを中国に伝えたのは張騫(ちょうけん)(?―前114)とする。蒜(大蒜、小蒜、蒜子を含む)は、6世紀の『斉民要術(せいみんようじゅつ)』では26の料理に使用されている。日本にも古く伝わり、『古事記』に日本武尊(やまとたけるのみこと)が東国(あずまのくに)平定の際、足柄山(あしがらやま)の神が化けた白鹿(しろしか)を、蒜を投げて打ち殺した物語が載る。ニンニクに含まれるアリシンは栄養源になり、殺菌作用も強い一方で、強烈な臭(にお)いをもつ。ニンニクはこれらのとらえ方で、神聖視されたり、嫌われたりした。古代ギリシアでは魔術の女神ヘカテの供物に使われ、中世のヨーロッパでは吸血鬼を払う魔力があると信じられた。日本でもニンニクと縁をもつ神社があり、茨城県つくば市の一ノ矢八坂神社(いちのややさかじんじゃ)では旧暦6月7日の祭りにニンニク市(いち)が立つ。一方、古代の小アジアでは神々の母神シビリーCybele(ギリシア語Kubele)の神殿に、ニンニクを食べて入ることは許されなかった。仏教でニンニクを薬用以外に禁じたのは、釈迦(しゃか)がコーサラ国で説法中、臭気を気にして身の入らない尼がいたためであったと仏典は説く。ニンニクの語源となった忍辱(にんにく)は、もともと「辱めを忍ぶ」意味の仏教用語で、寺での食用を禁止された大蒜(おおひる)の隠語として使われていたのが、のちに通用名となった。[湯浅浩史]

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