ネオ・ダダ(読み)ネオダダ

百科事典マイペディアの解説

ネオ・ダダ

1958年,ニューヨークのレオ・カステリ画廊で,ロバート・ラウシェンバーグ,ジャスパー・ジョーンズの個展が相次いで開催され,〈ダダの焼き直し〉という意味で最初は蔑称として用いられた。印刷物や廃棄物の集積であるラウシェンバーグの〈コンバイン・ペインティング〉と,旗や標的,数字を描いたジョーンズの作品は,芸術と非芸術,芸術と生活の乖離を問いかけ,抽象表現主義以降の新たな世代の胎動を告げるものとなった。
→関連項目ヌーボー・レアリスムパイクミニマル・アート

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ネオ・ダダ
ねおだだ
Neo-Dada

新しいダダイズムdadaismの意味。1960年前後にアメリカに現れた日常的なモチーフや卑近な物品を素材として作品をつくる傾向を、かつてのダダイズムになぞらえてジャーナリストがつけた通称である。ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズの初期の制作がこの通称の由来であるが、これに加えてジャンク・アート(廃物芸術)のスタンキビッチRichard Stankiewicz(1922―1983)やチェンバレンJohn Chemberlain(1927―2011)もこの風潮のもとに想起される。彼らの制作は、ヨーロッパのヌーボー・レアリスムと軌を一にする傾向をもっている。事実、両者は合同展を催しているし、1961年パリのJ画廊におけるヌーボー・レアリスム展には「ダダの上 40゜」のタイトルがつけられている。かつてのダダが芸術の白紙還元と日常化を要求して破壊と否定の運動を推進したのに対して、ネオ・ダダは現代の都市的現実を情感を交えずに呈示するのを特色としている。しかしその反芸術的な思考は、ポップ・アートからコンセプチュアル・アートに至る1960年代のさまざまな新しい美術思潮に投影している。[野村太郎]
『ハンス・リヒター著、針生一郎訳『ダダ――芸術と反芸術』(1987・美術出版社)』

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