ネコハギ(読み)ねこはぎ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネコハギ」の意味・わかりやすい解説

ネコハギ
ねこはぎ / 猫萩
[学] Lespedeza pilosa (Thunb.) Sieb. et Zucc.

マメ科(APG分類:マメ科)の多年草。茎はよく分枝して広がり、地面をはい、基部は木質化する。葉は3小葉からなり、互生する。小葉は倒卵円形で長さ1~2センチメートル、茎、枝とともに両面に長い軟毛が多い。8~9月、葉腋(ようえき)に短い花序をつくり、蝶形花(ちょうけいか)を数個開く。花は白色で長さ約8ミリメートル、旗弁の基部に紫色の斑(ふ)がある。萼(がく)は長い軟毛があり、萼裂片は長くとがる。果実は長さ3~4ミリメートル。日当りのよい道端や草地などに生え、本州から九州、および朝鮮半島、中国に分布する。名は、イヌハギに対して全体が小さく、毛が多いことからつけられたといわれる。

秋山 忍 2019年11月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネコハギ」の意味・わかりやすい解説

ネコハギ(猫萩)
ネコハギ
Lespedeza pilosa; bush-clover

マメ科の多年草。アジア東部の暖帯に分布し,日本では北海道を除く各地の日当りのよい草地,畑,路傍に普通にみられる。植物体全体に細毛を密生する。茎は細く,地上を長くはって広がる。葉は3小葉をもつ複葉で,各小葉は径 1cm前後の円形に近い卵形になり,茎とともに毛が多い。花序は葉腋につくが非常に短く,黄白色の小花をまとめてつける。和名は同じハギ属のなかのイヌハギ L. tomentosaに対し,毛が多いため名づけられた。

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