日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノルウェー海」の意味・わかりやすい解説
ノルウェー海
のるうぇーかい
Norwegian Sea
ノルウェー西岸とグリーンランド東岸に挟まれた海域。北極海とはナンセン海嶺(かいれい)によって区別される。ノルウェー海の深層水はグリーンランド・アイスランド海嶺とフェロー・アイスランド海嶺、そしてフェロー諸島とスコットランドを結ぶウィビル・トムソン海嶺によって、北大西洋の水と境されている。ほぼ中央に位置するヤン・マイエン島を通って東北東に延びるモーン海嶺が、東側のノルウェー海盆と西側のグリーンランド海盆に二分し、両海盆の海域をそれぞれ狭義のノルウェー海とグリーンランド海に区分することもある。前者の海域を暖流の北大西洋海流の続流であるノルウェー海流が北上し、後者の海域を寒流の東グリーンランド海流が南下する。ノルウェー海流は夏には太陽の放射で暖められて、表層水の温度は12℃近くに上がるが、冬には垂直的対流により混合されて、北部海域でも5℃前後の水温を維持する。またタラ、ニシン、サケなど豊かな水産資源に恵まれている。
[竹内清文]