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ハリガネムシ

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハリガネムシ
はりがねむし / 針金虫
hairworm

類線形動物門ハリガネムシ目Gordioideaの総称。体はその名のとおり針金のように細長く、体長数センチメートルから数十センチメートル、まれに1メートルになるものもある。体色は白、黄、暗褐色など種類によって異なる。雌雄異体で、雌は雄よりも大きい。世界中で約250種が知られ、日本には約10種がいる。
 成虫は水中で自活生活をするが、食物をとらず、雄は体の後部を雌に絡ませて交尾し、繁殖期を終えるとやがて死ぬ。産卵は春から夏に行われ、水中で孵化(ふか)した幼虫は直接宿主に食べられるか、あるいは一度ユスリカやフタバカゲロウなどの幼虫に取り込まれ、その体内で小さな袋に包まれ、これらの昆虫が羽化後カマキリなどの宿主に食べられて、その体腔(たいこう)内で寄生生活をしながら成長する。成長が終わると、宿主の肛門(こうもん)近くの体節間に孔(あな)をあけ、虫体の先端をのぞかせ、宿主が水のあるところへきたとき脱出する。脱出は夏から秋にかけてが多く、越冬後産卵するが、なかには宿主に寄生したまま越冬し、春から夏に脱出して産卵するものもある。
 ハリガネムシの宿主は昆虫類のカマキリ、キリギリス、コオロギ、ゴミムシ、ゲンゴロウなどで、前述のユスリカやフタバカゲロウなどはこれらの宿主へ移行するための移動宿主と考えられる。なお、まれに幼児から吐き出された例があるが、これはおそらく偶然飲み込まれたものと考えられる。[町田昌昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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