カナダ北部、ヌナブート・テリトリー(準州)、フランクリン地区にあり、カナダ北極海諸島の南東部に位置するカナダ最大の島。面積約47万6000平方キロメートル。東海岸沿いに山地(最高2100メートル)が連なり、その高い部分に氷河が広がる。中央部から東部にかけてはカナダ楯状地(たてじょうち)の北東の周辺部にあたり、西海岸沿い、および南部のネチリング湖、アマジュアク湖周辺では低地が広がる。この北部は礫質(れきしつ)ツンドラ、南部は低木・地衣ツンドラ地域である。1576年に捕鯨船に発見されて以来、20世紀初頭までは捕鯨とのかかわりが深かった。人口1万3049人(2006)でイヌイットが多い。1616年にW・バフィンが北部を初めて探検し、この名がつけられた。この島の南東部に位置するイカルイットが1999年4月に創設されたイヌイットの自治体ヌナブート・テリトリーの州都となっている。
[大竹一彦]
カナダ,ノースウェスト・テリトリーズの大島。面積約47万6000km2(世界第5位)。北極海諸島のうち最大の島で,北アメリカ大陸とグリーンランドの間にある。東側の山地には氷河・氷帽が発達し,海岸にはフィヨルドが多い。カナダ楯状地の一部で,古い地質からなる。ほぼ全域がツンドラである。先住民のエスキモー(約2000人)のほか,白人の軍人・観測所員も定住している。最大集落はフロビッシャー・ベイ。1576-78年にイギリスのエリザベス時代の航海士M.フロビッシャーが南部を探検,1616年にはW.バフィンが北部を探検した。19世紀後半から20世紀初頭まで,いくつかの捕鯨拠点がおかれた。
執筆者:正井 泰夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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