バージェス(読み)ばーじぇす(英語表記)Ernest Watson Burgess

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バージェス(Ernest Watson Burgess)
ばーじぇす
Ernest Watson Burgess
(1886―1966)

アメリカの社会学者。カナダ生まれ。シカゴ大学で学位を取得し、同大学教授の地位にあった。シカゴ学派の代表的人物で、人間生態学都市社会学の創設に寄与し、家族社会学の分野でも先駆的な業績を残した。R・E・パークとの共著『社会学の科学への序論』(1921)では、人間生態学や都市社会学の基礎となった、競争competition、闘争struggle、応化accommodation、同化assimilationの社会過程の概念を整理し、科学的な社会学の確立に貢献した。この著書の骨格はバージェスが準備したものといわれ、「社会学の聖書」とされるほどに読まれた。人間生態学を都市地域構造に適用・実証するために提示された同心円地帯理論theory of concentric circular zoneの仮説は、この種の研究に先鞭(せんべん)をつけ、都市社会学はもちろん地理学などの隣接科学にも大きな影響を及ぼした。この仮説は、都市は、競争の過程を通じて、中央ビジネス地区(CBD=Central Business District)を中心にこれを囲む遷移地帯、労働者独立住宅地帯、中流階級居住地帯、通勤者居住地帯の特徴的な地帯が同心円的に拡大していくというものである。H・J・ロックHarvey J. Locke(1900―2000)との共著『家族――制度から友愛へ』(1945)は長年にわたる家族研究の集大成ともいうべき業績であり、ここでは、アメリカの家族は古い村落的な制度型から新しい都市的な友愛型へ移行しつつあると主張した。アメリカ社会学会会長(1934)、全国家族関係協議会会長(1942)などの要職も歴任した。[高橋勇悦]
『R・E・パーク、E・W・バーゼス著、大道安次郎・倉田和四生訳『都市――人間生態学とコミュニティ論』(1972・鹿島研究所出版会) ▽E・W・バージェス編、森幹郎訳『西欧諸国における老人問題』(1975・社会保険出版社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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