バージェス動物群(読み)ばーじぇすどうぶつぐん(英語表記)Burgess fauna

知恵蔵の解説

バージェス動物群

バージェス頁岩」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディアの解説

バージェス動物群【バージェスどうぶつぐん】

カナダのブリティッシュ・コロンビア州,バージェス付近に分布するカンブリア系バージェスケツ(頁)岩から産出する化石動物群。約5億年前のもの。ケツ岩中から軟体部を含む数百種類の保存のよい化石が発見された。三葉虫をはじめとして節足動物や海綿動物,環形動物など,現在の無脊椎動物のほとんどの祖先形が含まれるとともに,脊椎動物につながる原索動物の化石も知られている。それらの中にはその後の生物たちと類縁関係のわからない種類も多い。古生代最初期の海の生物群の多様性を知ることができる貴重な化石群である。同じような化石群は中国などでも発見されている。

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世界大百科事典 第2版の解説

バージェスどうぶつぐん【バージェス動物群 Burgess shale fauna】

C.D.ウォルコットが1910年にカナディアン・ロッキーのセルカーク山中で発見した,特異な保存状態を示す動物化石群。時代はカンブリア紀中期に相当し,還元環境下でデルタ的に急速に沈積したとみられる細粒のバージェスケツ岩中に,多くの無脊椎動物が化石化している。付属肢や軟体部の構造などもよく保存されており,三葉虫に似たバージェシアBurgessia,ウォプティアWaptiaなど種々の三葉形類Trilobitomorpha,イモムシ型の体節と多足をもつ原始節足動物であるエイシェアイアAysheaia,繊細な体節をもつ多毛類のカナディアCanadiaなど,他に類例をみない動物群構成をもっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バージェス動物群
ばーじぇすどうぶつぐん
Burgess fauna

カナダのブリティッシュ・コロンビア州南部のステファン層中のバージェス頁岩(けつがん)の中にみいだされる特異な化石動物群。1909年にアメリカのC・D・ウォルコットにより発見された。古生代カンブリア紀中期のものであることが、産出する三葉虫によってわかるが、この層の化石は軟体部や付属肢の細部までが保存されている。当時の藻礁の急斜面下でおこった懸濁流の堆積(たいせき)物で、海底地すべりによって運ばれた動物が、無酸素の状況下で急速に埋積し腐敗を免れたものと思われる。この地層からは、海綿動物から原索動物まで多岐にわたる化石動物が発見され、100を超す属、150近い種が記録されている。そのうち三葉虫の22属がもっとも多いが、それと同じ22属の所属不明の節足動物がみつかっている。まことに奇妙な形態のものが多く、現生にその類縁がみつからない。さらに現在の動物界にはまったく近似したものがなく、分類上の位置さえ決められないものが17属と続く。このような特異な化石動物相は、動物界に爆発的な分化がおこった際に出現したが、結局子孫を残せないで消滅してしまったものと考えられ、進化の研究に貴重な化石群といわれる。その後これに類似した動物群がバージェス頁岩以外にも中国などで発見されるようになった。[藤山家徳]
『スティーヴン・ジェイ・グールド著、渡辺政隆訳『ワンダフル・ライフ――バージェス頁岩と生物進化の物語』(1993・早川書房) ▽荒俣宏編『このすばらしき生きものたち――カンブリア大爆発から人工生命の世紀へ』(1994・角川書店) ▽サイモン・コンウェイ・モリス著、松井孝典監訳『シリーズ「生命の歴史」1 カンブリア紀の怪物たち――進化はなぜ大爆発したか』(講談社現代新書)』

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