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バーベリ Babel', Isaak Emmanuilovich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バーベリ
Babel', Isaak Emmanuilovich

[生]1894.7.13. オデッサ
[没]1941.3.17. シベリア
ロシア,ソ連の小説家。ユダヤ人の商人の家庭に生れ,1910年代より文学活動を開始。代表作は,国内戦における自己の体験を描いた短編集『騎兵隊』と,革命前のオデッサを舞台にユダヤ人の生活を描いた『オデッサ物語』。スターリンによってシベリアに流刑され獄死したが,第2次世界大戦後,名誉が回復され,作品も公刊され再評価されている。

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百科事典マイペディアの解説

バーベリ

ロシア(ソ連)の作家。オデッサのユダヤ商人の家の出。1915年ゴーリキーを知って短編を発表するが,一時文筆活動を断念,国内戦に従軍。その体験に基づいて書かれた《騎兵隊》(1926年)は1920年代ソ連文学の最高傑作の一つとされる。

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世界大百科事典 第2版の解説

バーベリ【Isaak Emmanuilovich Babel’】

1894‐1941
ロシア・ソ連邦の作家。南ロシアのオデッサにユダヤ商人の子として生まれ,商業学校に通うかたわら,家庭でユダヤ語,聖書,ユダヤ律法を学んだ。学校を卒業後,1915年ペテルブルグへ出,最初の短編を《年代記》誌に発表。その後,ゴーリキーの助言により人生を知るために創作をやめ,実社会で働いた。すなわち17年から24年まで,初めは一兵卒として,後にはチェーカー,文部人民委員会,食糧徴発隊,ユデニッチ討伐隊,第1騎兵隊,オデッサ県委員会で働いた。

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大辞林 第三版の解説

バーベリ【Isaak Emanuilovich Babel'】

1894~1940) ソ連のユダヤ系作家。1920年代のソ連文学を代表する優れた作家の一人だったが、粛清により銃殺された。代表作に連作「騎兵隊」、短編集「オデッサ物語」がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バーベリ
ばーべり
Исаак Эммануилович Бабель Isaak Emmanuilovich Babel'
(1894―1941)

ロシアの小説家。ウクライナのオデッサのユダヤ人商人の家に生まれる。商業学校に通い、家ではユダヤ律法を学ばされる。ユダヤ人虐殺などの幼児体験は短編『初恋』(1925)、『私の鳩(はと)小屋の話』(1927)などで語られる。1915年ペトログラード(サンクト・ペテルブルグ)に出て、翌年雑誌『年代記』に短編を発表するが、編集者ゴーリキーの忠告で「人生勉強」のため創作を中断、食糧徴発隊員などを経てブジョンヌイの第一騎兵隊に従軍、その体験をもとに『塩』『手紙』『ドルグショーフの死』『アポレクさん』など35の短編からなる『騎兵隊』(1926)を書く。流血と破壊の極限的状況下で革命の戦士にも現れる無知、残酷さ、性的放縦などが直視され、同時に失われゆく人間性への憧憬(しょうけい)が独特の文体的魅力で語られるこの作品は、1920年代随一の散文の名手としての彼の声価を定めた。ほかにオデッサのギャングの生態をエキゾチシズムとユダヤ的ユーモアを交えて書いた短編集『オデッサ物語』(1927)、戯曲『日没』(1928)、『マリーヤ』(1935)、『デイ・グラッソ』『接吻(せっぷん)』『ダンテ街』などの珠玉の短編群がある。『騎兵隊』は革命軍を誹謗(ひぼう)したとしてブジョンヌイから非難されたが、ゴーリキーによって擁護された。34年の作家大会で自身の「沈黙」を自己弁護、35年にはパリの文化擁護会議にも出席したが、39年粛清で逮捕、獄死した。スターリン死後、名誉を回復され、57年に一巻選集が出版された。[江川 卓]
『木村彰一訳『騎兵隊』(中公文庫) ▽江川卓訳『オデッサ物語』『わたしの鳩小屋の物語』(『現代ソビエト文学18人集1』所収・1967・新潮社)』

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