パトリオット(英語表記)Patriot

翻訳|patriot

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パトリオット
Patriot

アメリカ軍の新型移動式 SAM (地対空ミサイル) 。 1985年に部隊配備開始。低高度から高高度までの多目標を同時に迎撃可能。一般的な発射ユニットは,レーダ装置,射撃管制装置,電力供給車,4連装ミサイル発射機8基で構成される。フェーズドアレイレーダ装置は目標のうち最も脅威性の高いものを瞬時に選び,そのデータをミサイルに伝える。ミサイルは内蔵コンピュータにデータを記憶し,目標に向って発射される。飛行中は捕捉した相手のデータを地上の射撃管制装置に送信し,地上から新たなデータを受信しながら目標に向う。この方式は,ミサイル本体に複雑な装置を組込まずにすむ利点があるほか,レーダの誘導電波に乗って飛ぶため敵の妨害電波に強く,高い命中精度が得られる。湾岸戦争でアメリカ軍は,サウジアラビアに向けて発射されたイラク軍のスカッド・ミサイル 47発中 45発を撃墜したと発表した。しかし,レーダ式近接信管で目標を撃破するパトリオットは,敵ミサイルを破壊してもその弾頭まで破壊するとはかぎらず,弾頭だけ地上に落下,爆発することもある。このため湾岸戦争でのスカッド撃墜数は 30発とする資料もある。自衛隊は 89年に導入したが,初期のものは航空機迎撃用だったため,湾岸戦争の教訓から,92年度からミサイル迎撃能力を持つ PAK2型を導入している。主要目は,射程3~160km,有効高度 60~2万 4000m,速度マッハ 3.7,全長 5.3m,直径 41cm,発射重量 700kg,推進方式固体燃料,弾頭威力近接信管 91kg。

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百科事典マイペディアの解説

パトリオット

米国の戦術地対空ミサイルナイキの後継にあたり,主に航空機を対象とする。1982年に米国陸軍が開発,その後改良が加えられPAC-1,PAC-2が開発され,PAC-3が開発中。ミサイル発射機,レーダー装置,通信施設などを一体として配備する。湾岸戦争で使用されたのはPAC-2に迎撃用処置を施したもので,イラクのスカッド・ミサイルに対して当初は撃墜率100%と発表されたが,その後40〜70%と修正された。日本では1985年から三菱重工業がライセンス生産,1995年までにナイキからの転換が行われ,現在航空自衛隊には6高射群が配備され,PAC-2の導入も開始された。
→関連項目レイセオン[会社]

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パトリオット
ぱとりおっと
Patriots

愛国派の意で、アメリカ独立革命に際して独立を主張した人々をいう。彼らは本国イギリスよりも「アメリカ」という国を愛するという意味でこうよばれ、本国の政策に同調する「ロイヤリスト」Loyalists(国王派)に対抗して、革命前の反本国運動を展開した。パトリオットの内部には、大商人、プランターなどの富裕者を中心として、革命の指導的立場にたった愛国保守派と、秘密結社「自由の息子たち」Sons of Libertyなどの伝統を引く民衆勢力を中心とした愛国急進派とがあったが、本国に対して抵抗のための統一戦線を組んだ。独立後の新しい国家体制の建設をめぐって急進派は民主主義の徹底を主張したが、革命に主導権を握った保守派により合衆国憲法体制が敷かれた。[島川雅史]
『今津晃著『アメリカ革命史序説』(1960・法律文化社) ▽武則忠見著『アメリカ革命の価値体系の研究』(1972・亜紀書房)』

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