木材小片(パーティクル,チップ,木材切削片,破砕片)に合成樹脂接着剤をスプレー塗付し,これを所定の形に堆積後,熱圧して成型した比重0.6~0.8の板状製品。従来,削片板,チップボードとも称されたことがあるが,現在ではパーティクルボードという名称に統一された。JISでは,パーティクルボードを,表裏面の状態,曲げ強さ,耐水性の程度,層数などによって分類している。このうち重要なのは,ボードの等級を曲げ強さで代表してランク分けする200タイプ(曲げ強さ180kgf/cm2以上),150タイプ(130~180kgf/cm2),100タイプ(80~130kgf/cm2)の分類である。用途としては家具材料が主であったが,最近では床材を中心に建築分野へも進出が著しい。しかし建築に用いるうえで最も問題になるのは,この材料が製造上の条件から合板に比べて耐水性で劣ることであろう。パーティクルボードの耐水性能は使用する接着剤の種類と大きな関連がある。JISでは,ユリア樹脂接着剤を用いるUタイプ,ユリアメラミン共縮合樹脂をおもに用いるMタイプ,おもにフェノール樹脂を用いるPタイプの3種に分類している。家具材料にはUタイプ,床下地にはMタイプ,Pタイプなどの使い分けが必要。
パーティクルボードは1951年にヨーロッパより技術導入されて以来著しい生産量の伸びを示してきた。これは南洋材丸太の品質低下,価格高騰が合板価格の上昇を引き起こし,相対的に安価な本材料に需要が移ってきているためである。このように低質木材資源から自動化された装置によって大量生産される本材料は合板に代わる木質系板材料として発展が期待されている。最近,北アメリカにおいて細長いチップを一方向に並べた配向性パーティクルボード,チップの形状を大きくしたウェーファーボードが開発され,合板に近い強度性能があるといわれている。
執筆者:大熊 幹章
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
木材小片(チップ)を接着剤とともに板状に熱圧成形して製造する.熱圧には3 MPa 程度の高い圧力が使用され,接着剤としては熱硬化性のフェノール樹脂,尿素樹脂が使用される,寸法安定性にすぐれているが,耐水性に難があるため,家具用,建築内装用に使用される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 リフォーム ホームプロリフォーム用語集について 情報
…合板,パーティクルボード,集成材などのように,主原料として木材を使用しているが,これを天然のまま用いるのではなく種々の処理を施して新しく製造した木質系材料の総称。最近では木質材料とも呼ばれる。…
…一般に木材を小片にしたものを(木材)チップといい,パルプ,パーティクルボード,ファイバーボード製造の原料として用いられる。通常その大きさは,繊維方向の長さ15~25mm,厚さ4mm程度といわれている。…
※「パーティクルボード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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