ヒイラギ(読み)ひいらぎ(英語表記)slimy

翻訳|slimy

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヒイラギ(海水魚)
ひいらぎ / 柊
slimysoapy

硬骨魚綱スズキ目ヒイラギ科の海水魚の総称、またはそのなかの1種。体は卵円形で、著しく側扁(そくへん)し、はがれやすい微小な鱗(うろこ)で覆われている。口は管状に伸出させることができる。中部以南の日本各地の内湾や沿岸域に多くみられ、朝鮮半島南部沿岸、オーストラリア、アフリカにも分布。ヒイラギ科の魚は、すべて食道を取り巻く環状の発光腺(せん)をもっており、そこに発光バクテリアが共生して発光する。このバクテリアは口を経て入り、繁殖したものと考えられる。発光腺は白色不透明な膜で覆われ、この膜の伸縮によって光は明滅する。また、前上顎(じょうがく)骨と前頭骨とを摩擦させて音を発する性質がある。
 和名ヒイラギLeiognathus nuchalisは、南日本の内湾で普通にみられる魚で、群れをつくる。頭部の背面外郭は丸く、後頭部はやや突出する。後頭部と背びれの棘(とげ)の部分に黒斑(こくはん)がある。釣りでよくかかる。食用となるが、あまり喜ばれない。産卵期は6月ごろで、岸近くの藻の多いところで産卵する。全長17センチメートルに達する。近縁種のオキヒイラギL. rivulatusは全長8センチメートルぐらいで、ヒイラギより小さい。頭部外郭はほとんど一直線状で、後頭部と背びれの棘の部分に黒斑がない。ヒイラギよりも沖合いあるいはやや深みに生息し、5月ごろ産卵する。煮干しにして酒肴(しゅこう)用にする。ヒメヒイラギL. elongatusは体高が低く、長卵形。全長9センチメートルに達し、駿河(するが)湾から鹿児島県沖の太平洋沿岸域に分布する。[鈴木 清]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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