ヒギリ(読み)ひぎり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒギリ」の意味・わかりやすい解説

ヒギリ
ひぎり / 緋桐
[学] Clerodendrum japonicum (Thunb.) Sweet

クマツヅラ科(APG分類:シソ科)の落葉低木。高さ1~3メートル。葉は長い柄があって対生し、心臓形で長さ20~30センチメートル、キリの葉に似て大きく、裏面に黄色の腺毛(せんもう)を密生する。夏から秋、枝先に大形の円錐(えんすい)花序をつける。萼(がく)、花冠とも鮮やかな朱赤色で美しい。花冠は上部は5裂して平開し、下部筒状で細い。雄しべは4本、雌しべは1本で、ともに花冠から長く飛び出す。中国南部が原産で、日本へは延宝(えんぽう)年間(1673~1681)に渡来し、降霜のない暖地で栽培する。

小林義雄 2021年9月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒギリ」の意味・わかりやすい解説

ヒギリ(緋桐)
ヒギリ
Clerodendron japonicum

クマツヅラ科の落葉低木で,トウギリともいう。東南アジアからインド北部に自生する。江戸時代に渡来し九州南部や南西諸島小笠原諸島などの暖地で観賞用に栽培され,ときに野生化している。高さ 1.5mぐらいで,葉は対生し,心臓形で長さ 30cmぐらいにまでなる。夏から秋にかけて,枝先に円錐花序を出し,赤色大型の美しい花を多数つける。萼は赤色で5裂し,花冠は筒部が長く先は5裂し平らに開く。4本のおしべは花冠より長く花外へ突き出している。

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世界大百科事典(旧版)内のヒギリの言及

【ゲンペイクサギ】より

…クラリンドウC.nutans Wall.はインド原産で花穂は長く下垂し,大きな白色の花をつけ美しい。ヒギリC.japonicum Makinoはインド原産で日本へは300年ほど前に入り,栽培されている。高さ1~2mの落葉低木で花は緋赤色で美しい。…

※「ヒギリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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