デジタル大辞泉
「ヒスパニック」の意味・読み・例文・類語
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百科事典マイペディア
「ヒスパニック」の意味・わかりやすい解説
ヒスパニック
米国に住むスペイン語を母語とする人々(カトリック系でもある)の総称。差別的ニュアンスを排するため,ラティノLatinoと呼ぶこともある。1848年までテキサス,カリフォルニアなど南西部諸州がメキシコ領だったこともあり,ブラセロとして入国した者も多く,メキシコ系アメリカ人(チカノchicano)が最多数を占める。次いで主にニューヨークに集中しているプエルト・リコ人がいる。さらにキューバ革命後移民したキューバ人の40%はマイアミに住んでいる。この他ドミニカ人もいる。中央アメリカからの移民,南アメリカからの移民は総体として中産階級化の様相を呈しており,他のヒスパニックとは距離がある。1990年の2235万人(米国総人口の約8.9%)から,2000年には3530万人(総人口の12.5%)に増加,総人口の12%を占めるアフリカ系アメリカ人(黒人)を上回った。言語,文化,教育などの面でも無視できない勢力となっている。
→関連項目アメリカ合衆国|ハーレム|メキシコ(国)|ロサンゼルス暴動|WASP
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知恵蔵
「ヒスパニック」の解説
ヒスパニック
ヒスパニック・アメリカン。スペイン語を母国語とする中南米出身者やその子孫で米国に居住する人々を指す。中南米の出自により自覚的なラティーノ(Latino)という呼称も、特にカリフォルニア州などでは一般的。これに対して、ヒスパニックには、スペインの伝統を意識する語感があり、政財界などではこちらが好んで使われる。メキシコ系が6割、プエルトリコ系が2割、キューバ系が1割を占める。メキシコ系は主にカリフォルニア、ニューメキシコ、アリゾナ、コロラドなどに、プエルトリコ系はニューヨークに住む。2000年には黒人を抜いて、最大のマイノリティー集団となり、その数は約4300万人。概して、英語の習得に力を入れず、家庭、職場でも可能な限りスペイン語を使おうとする。そうした実態が、全米各地の「英語(公用語)化」運動に拍車をかけることとなった。英語公用語化法はすでに23州で成立している。エスニック・グループの中でも貧しい部類に属し、教育レベルも低いが、同一地域に定着して地元に利益を還元する傾向は黒人より強く、多くが投票所に足を運ぶことから、一大政治勢力を成すに至っている。元来、民主党の固い支持層であったが、所得の増加、生活の向上と共に、共和党支持に転じていく傾向がある。カトリック信者が多く、04年大統領選においては、同性婚、妊娠中絶容認に反発した票がブッシュ支持に流れた。アメリカン・アイデンティティーを脅かすという意味ではもっとも大きな問題を孕(はら)んだマイノリティー集団で、米国を2つの民族、文化、言語に分裂させる可能性への危惧から、一部で「ヒスパニック脅威論」さえささやかれる。ヒスパニックで最多のメキシコ系アメリカ人は、男性をチカーノ、女性をチカーナと呼ぶ。
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ヒスパニック
Hispanic
「スペイン語を話す人,スペイン系」の意味だが,今日のアメリカ合衆国社会ではもっぱら中南米・カリブ海地域からの移民に対して用いられる。ラティーノともいう。全米総人口の約 6分の1にあたる約 5310万人が在住し(2012推計),アメリカ国内最大のマイノリティ・グループである。20世紀末頃から非合法を含め流入が活発化,2000年からの 10年間に約 43%の人口増加率を示し,カリフォルニア州,テキサス州では州人口の 3分の1以上に達するなど,西南部諸州を中心に急増した。アメリカの全ヒスパニック人口のうち 6割がメキシコ系で,プエルトリコ系が 1割,キューバ系がそれに次ぐ。2000年にはアフリカ系アメリカ人の人口を上回り,政治的な発言力も増している。(→民族)
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ヒスパニック
ひすぱにっく
Hispanic
中南米各国からの移民やその子孫であるスペイン語系アメリカ人。ヒスパニック系の人口は、1980年の国勢調査では約1460万人であったが、1990年調査では約2235万人と53%も増加。2000年の国勢調査では約3530万人(58%増)で、全米人口の12.5%を占め、マイノリティー集団では、3470万人(全米人口の12.3%)であった黒人人口を初めて上回った。英語を覚えてアメリカ社会に同化するより、自分たちのスペイン語社会をつくる傾向が強い面が指摘される。アメリカ国内ではヒスパニックを標的とした移民規制に関心が高まり、とくにメキシコ国境からの大量のヒスパニック系不法移民に頭を悩ますカリフォルニア州では、1994年に州民投票により不法移民摘発を目的とする不法移民締め出し法を制定した。これは、不法移民やその子弟が公共機関のサービスを受けにきた場合、移民・帰化局への通報を義務づけたもの。しかし1995年、同州のロサンゼルス連邦地裁は、不法移民締め出し法の大部分の規定を違憲とみなす判決を下した。
[編集部]
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ヒスパニック
Hispanic
アメリカ合衆国でスペイン語を話す人口の総称で,政府筋がセンサスなどで使用しはじめた。差別的ニュアンスがあるとして,1990年代に入ってラティノLatinoも多く使用される。ヒスパニック人口は2235万余(1990)で,全米人口の9%を占めている。人口構成は多様で,メキシコ系1350万(全米人口の5%)が最も多い。スペイン語を話しカトリックで,ラテン的文化をもつことが共通点。移民数の多さと出生率の高さのため,21世紀前半にアフリカ系アメリカ人(黒人)の数を上まわると予想されている。
執筆者:編集部
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ヒスパニック
Hispanic
アメリカの少数民族としては最大の集団で,スペイン語を話す人々。1960年代から急速に増加し,2000年国勢調査(ラティノという名称も初めて使用)によると,アメリカの総人口2億8000万人の12.5%(3530万人)を占め,黒人(アフリカ系)の12.1%を抜いた。ヒスパニックの内訳は,メキシコ系58.5%,プエルトリコ系9.6%,キューバ系3.5%,その他となっている。人種的には白人,黒人ほかさまざまである。働く意欲は強いが,概して学歴が低く英語が不自由な人が多いため,所得面で不利である。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
ヒスパニック
スペイン人,スペイン系住民,ラテン系アメリカ人など.
出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報