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ビアード Beard, Charles A(ustin)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ビアード
Beard, Charles A(ustin)

[生]1874.11.27. インディアナ,ナイツタウン近郊
[没]1948.9.1. コネティカット,ニューヘーブン
アメリカ合衆国の歴史学者,政治学者。1898年デ・ポー大学卒業後,オックスフォード大学に留学。1904~17年コロンビア大学教授。退官後 1922年までニューヨーク市政官養成所所長,1926年アメリカ政治学会会長,1933年にはアメリカ歴史学会会長となった。1922年と 1923年に後藤新平の招きで訪日,東京市市政顧問として東京の都市計画,関東大震災後の東京の再建に協力。政治面で社会改革の必要を主張するとともに,学問的には歴史の経済的解釈を打ち出してアメリカ史の再検討を行ない,晩年には平和を重視する立場からフランクリン・D.ルーズベルトの対外政策を鋭く批判した。主著『アメリカ合衆国憲法の経済的解釈』An Economic Interpretation of the Constitution of the United States(1913),『アメリカ文明の興起』The Rise of American Civilization(2巻,1927),『アメリカの精神』The American Spirit(1942),『ルーズベルト大統領と1941年の戦争の到来』President Roosevelt and the Coming of War, 1941(1948)など。

ビアード
Beard, Daniel

[生]1850.6.21. オハイオ,シンシナティ
[没]1941.6.11. ニューヨーク,サファーン
アメリカ合衆国のボーイスカウト初期の指導者,挿絵画家,作家。フルネーム Daniel Carter Beard。野外生活に興味をもち,「ダニエル・ブーンの息子たち」を創立。1910年アメリカ・ボーイスカウトができるとこれと合併し,その全国役員として活躍した。挿絵画家としても才能があり,少年向きの野外活動に関する著書約 20冊を残し,雑誌『少年生活』 Boys' Lifeの編集にも参与した。

ビアード
Beard, Mary Ritter

[生]1876. インディアナ
[没]1958
アメリカ合衆国の歴史家。1897年デ・ポー大学卒業。1900年にチャールズ・A.ビアードと結婚,彼と共同で歴史研究,著述に専念した。彼女自身は,特に労働運動,社会における女性の役割に興味をもち,著書に『女性理解のために』On Understanding Women (1931) ,『歴史の力としての女性』Woman as Force in History(1946)がある。1955年夫チャールズの伝記 "The Making of Charles A. Beard"を出版。

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百科事典マイペディアの解説

ビアード

米国の歴史学者,政治学者。コロンビア大学教授。ドイツ史学の客観主義を排し,現実社会の問題解決に資する革新主義史学の立場を主張,アメリカ史を経済利益をめぐる保守と革新の対立として解釈した。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

ビアード Beard, Charles Austin

1874-1948 アメリカの歴史学者,政治学者。
1874年11月27日生まれ。1917年までコロンビア大教授。大正11年(1922)後藤新平東京市長にまねかれ来日,「東京市政論」をあらわす。関東大震災直後に東京市の市政顧問として再来日。1948年9月1日死去。73歳。インディアナ州出身。デポー大卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

ビアード【Charles Austin Beard】

1874‐1948
アメリカの歴史学者。いわゆる革新主義学派の領袖として1930年代のアメリカの史学界,教育界に多大の影響を与えた。オックスフォード大学留学後コロンビア大学大学院に学び博士号を得,同大学で教職についたが,のち1917年学問の自由の問題と関連して辞職する。1913年《合衆国憲法の経済的解釈》を刊行,憲法制定者たちの経済的利害関係を分析し,毀誉褒貶(きよほうへん)の的となった。その続編にあたるいくつかの著書を発表した後,27年《アメリカ文明の興隆》を刊行,同書はアメリカ史の流れを保守と革新との対立としてとらえ,教科書として広く使用され,アメリカ史を学ぶ者の必読書となった。

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大辞林 第三版の解説

ビアード【Charles Austin Beard】

1874~1948) アメリカの歴史学者。経済・社会・文化の各分野を包含した「新しい史学」を提唱。関東大震災後の東京復興計画に参与。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内のビアードの言及

【東京[都]】より

…内相で帝都復興院総裁を兼任した後藤新平の帝都復興都市計画は,激しい反対のなかで縮小され(当初30億円計上された復興費は12億円に削減),後の東京の発展に禍痕を残した。ちなみにこの計画の基本方針としては,遷都はしないこと,ニューヨーク市政調査会理事ビアードCharles Austin Beard(1874‐1948)に委嘱して欧米式の最新の都市計画を採用すること,地主に対して断固たる態度をとることがあった。大震災を契機に近郊の隣接町村への人口移動が始まり,東武,西武,東急,小田急各線の開業や電化が進んで,東京の市街地は西ないし南西部へと急激に膨張し始めた。…

【都市行政】より

…1919年,政府は都市計画法と市街地建築物法を制定し,無秩序な都市形成の規制を図るが,都市自治体には計画権限は付与されなかった。22年,当時東京市長であった後藤新平は東京市政調査会を設立,アメリカからビアードCharles Austin Beardを招聘し東京市政の調査をゆだねた。彼の《東京市政論The Administration and Politics of Tokyo》(1923)は,都市行政論の名著とされる。…

【圧力団体】より

…移民の国として成立したアメリカの場合,社会的利害の調整のために同一利害の上に立つ人々の集団的発言が不可欠であり,またそれが社会的に容認されていたからである。アメリカの政治学者C.A.ビアードが,アメリカ連邦憲法の制定過程を検討して,この憲法がさまざまな経済利益間の競合・妥協の産物であると論じたのも,ゆえなしとしない。その後のアメリカにおける圧力団体の発展はますます目覚ましく,19世紀の30年代にアメリカを視察したトックビルが,〈世界中でアメリカにおけるほど,結社の原理が,多数の異なった目的に対して,成功的に用いられ,あるいは惜しみなく適用されてきた国はない〉(《アメリカの民主主義》1835‐40)と賛嘆したことは有名である。…

【アメリカ独立革命】より


[革命の解釈]
 アメリカ革命に対しては,大きく二つの解釈が分かれている。一つは,アメリカ革命をフランス革命と同様に,すぐれて革命的な革命であったとする解釈で,C.ビアードなどによる革新主義学派の解釈である。それに対し,アメリカ革命は革命というよりイギリスからの政治的独立であり,アメリカ内に関するかぎり革命的なことではなかったとする解釈であり,19世紀末以来の帝国学派,1950年代の新保守主義学派による解釈である。…

【東京[都]】より

…内相で帝都復興院総裁を兼任した後藤新平の帝都復興都市計画は,激しい反対のなかで縮小され(当初30億円計上された復興費は12億円に削減),後の東京の発展に禍痕を残した。ちなみにこの計画の基本方針としては,遷都はしないこと,ニューヨーク市政調査会理事ビアードCharles Austin Beard(1874‐1948)に委嘱して欧米式の最新の都市計画を採用すること,地主に対して断固たる態度をとることがあった。大震災を契機に近郊の隣接町村への人口移動が始まり,東武,西武,東急,小田急各線の開業や電化が進んで,東京の市街地は西ないし南西部へと急激に膨張し始めた。…

【都市行政】より

…1919年,政府は都市計画法と市街地建築物法を制定し,無秩序な都市形成の規制を図るが,都市自治体には計画権限は付与されなかった。22年,当時東京市長であった後藤新平は東京市政調査会を設立,アメリカからビアードCharles Austin Beardを招聘し東京市政の調査をゆだねた。彼の《東京市政論The Administration and Politics of Tokyo》(1923)は,都市行政論の名著とされる。…

【都市問題】より

…腐敗の粛正,行政の能率化,科学化を求めて市政改革city reformの運動が高まった。その中心人物C.ビアードが東京市長後藤新平に関東大震災の前後2回招かれ,その成果を日本に伝え,雑誌《都市問題》の創刊(1925)にも寄与した。さらにこの前後の日本では,大正デモクラシーの名に伴う形で後藤を助けた池田宏や大阪の名市長関一をはじめ多くの人材が出て,上記のような問題の把握からする都市計画の推進や,新しく広がる失業・貧困に対する社会政策事業の拡大を唱えた。…

※「ビアード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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