トゥルカナ湖(読み)トゥルカナコ(その他表記)Lake Turkana

デジタル大辞泉 「トゥルカナ湖」の意味・読み・例文・類語

トゥルカナ‐こ【トゥルカナ湖】

Lake Turkanaケニア北部の湖。旧称ルドルフ湖北端エチオピアに属する。アフリカ大陸の大地溝帯にあり、南北約300キロメートル、東西の最大幅約56キロメートルと細長い流入する川はあるが排水河川はなく、世界有数のアルカリ塩湖として知られる。ナイルパーチ、ティラピアナイルワニなどが生息。また、300万年前から200万年前にかけての古人類化石が発見されている。湖とその周辺が三つの国立公園に指定され、トゥルカナ湖国立公園群名称で世界遺産(自然遺産)に登録された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トゥルカナ湖」の意味・わかりやすい解説

トゥルカナ湖
とぅるかなこ
Lake Turkana

アフリカ東部、ケニア北部のアフリカ大地溝帯中にある細長い湖。北端はエチオピア領内にある。湖面標高375メートル、深さ73メートル。激しい蒸発のため面積は縮小中で、約6400平方キロメートル。湖中にいくつかの火山性の島がある。北からオモ川、西からターウェル川が流入するが、流出する川はない。ワニカバが生息し、魚類が多い。1888年にオーストリアのテレキ伯爵Count Sámuel Teleki(1845―1916)によって「発見」され、当時の皇太子の名にちなんでルドルフ湖と命名された。現在は付近の住民と同名のトゥルカナ湖とよぶ。東岸とオモ川の河岸段丘は化石が豊富で、1972年ケニア国立博物館のリーキーRichard Erskine Leakey(1944―2022)が250万年前のものとみられる人骨を発見し、世界最古の人骨として話題になった。

[中村和郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トゥルカナ湖」の意味・わかりやすい解説

トゥルカナ湖
トゥルカナこ
Lake Turkana

ケニア北部に広がる南北に細長い湖。ルドルフ湖 Lake Rudolfともいう。北端部はエチオピアに属する。面積 6405km2。周囲 900km。水面標高 375m,最大水深 73m。ケニア高原とエチオピア山地の間にある低い高原上にあり,水源はエチオピアのアビシニア高原に源を発するオモ川雨季にはトゥルクウェル川とケリオ川が西岸から流入。流出河川はない。湖水はソーダ分を含みやや塩辛いが,カワスズメ(ティラピア)などの魚が豊富に生息し,ワニ,カバ,水鳥類も多い。周辺に村落は少なく,西岸でトゥルカナ族,南岸でサンブル族などが遊牧生活を営む。1997年トゥルカナ湖国立公園群として世界遺産の自然遺産に登録。

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改訂新版 世界大百科事典 「トゥルカナ湖」の意味・わかりやすい解説

トゥルカナ[湖]
Lake Turkana

東アフリカ,ケニア北西部にある無口湖(排水河川のない湖)。アフリカ大地溝帯に属する構造湖で,湖面標高375m,面積7100km2(アフリカ5位),最大深度73m。ルドルフ湖Lake Rudolfとも呼ばれるが,それは1888年オーストリアのテレキ伯が探検し,当時の皇太子にちなんで命名したからである。湖の周辺に住むナイル・ハム系の牧畜民トゥルカナ族はバッソ・ナロク(黒い水)と呼ぶ。クロコダイル,ナイルスズキなどが生息し,かつてはナイル水系に含まれていたことを暗示している。
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