トゥルカナ湖(読み)とぅるかなこ(英語表記)Lake Turkana

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トゥルカナ湖」の意味・わかりやすい解説

トゥルカナ湖
とぅるかなこ
Lake Turkana

アフリカ東部、ケニア北部のアフリカ大地溝帯中にある細長い湖。北端エチオピア領内にある。湖面標高375メートル、深さ73メートル。激しい蒸発のため面積は縮小中で、約6400平方キロメートル。湖中にいくつかの火山性の島がある。北からオモ川、西からターウェル川が流入するが、流出する川はない。ワニカバが生息し、魚類が多い。1888年にオーストリアのテレキ伯爵Count Sámuel Teleki(1845―1916)によって「発見」され、当時の皇太子の名にちなんでルドルフ湖と命名された。現在は付近の住民と同名のトゥルカナ湖とよぶ。東岸とオモ川の河岸段丘化石が豊富で、1972年ケニア国立博物館のリーキーRichard Erskine Leakey(1944―2022)が250万年前のものとみられる人骨を発見し、世界最古の人骨として話題になった。

[中村和郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トゥルカナ湖」の意味・わかりやすい解説

トゥルカナ湖
トゥルカナこ
Lake Turkana

ケニア北部に広がる南北に細長い湖。ルドルフ湖 Lake Rudolfともいう。北端部はエチオピアに属する。面積 6405km2。周囲 900km。水面標高 375m,最大水深 73m。ケニア高原とエチオピア山地の間にある低い高原上にあり,水源はエチオピアのアビシニア高原に源を発するオモ川雨季にはトゥルクウェル川とケリオ川が西岸から流入。流出河川はない。湖水はソーダ分を含みやや塩辛いが,カワスズメティラピア)などの魚が豊富に生息し,ワニ,カバ,水鳥類も多い。周辺に村落は少なく,西岸でトゥルカナ族,南岸でサンブル族などが遊牧生活を営む。1997年トゥルカナ湖国立公園群として世界遺産の自然遺産に登録。

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