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ビダール苔癬 ビダールたいせんlichen Vidal

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ビダール苔癬
ビダールたいせん
lichen Vidal

境界鮮明な充実性丘疹の多発,融合,苔癬化がみられる疾患。通常かゆみは強いが,じくじくすることはまれ。中年女性がネックレスや着物の襟などの刺激によって首すじに生じることが多い。かつては限局性神経皮膚炎とみなされていたが,最近では特定部位に軽微な刺激が繰返し加えられたことによる慢性湿疹型接触性皮膚炎とみなす説が有力である。

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家庭医学館の解説

びだーるたいせん【ビダール苔癬 Lichen Vidal】

[どんな病気か]
 中年女性に多い皮膚病で、うなじに激しいかゆみが生じ、ひっかいているうちに皮膚が厚くなっていきます。境界がはっきりした乾燥性の皮疹(ひしん)です。陰部、腕、大腿部(だいたいぶ)(太もも)にもよくおこります。以前は、限局性神経皮膚炎(げんきょくせいしんけいひふえん)とも呼ばれていました。ビダールとは、この皮膚病を初めて報告したフランスの皮膚科医の名前です。
[治療]
 副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン薬の外用で治りますが、薬の効果をあげるために、貼付(ちょうふ)したり、薬を含んだテープを貼(は)ったり、患部に注射したりします。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ビダール苔癬
びだーるたいせん

湿疹(しっしん)性疾患の一つで、かつては慢性単純性苔癬、あるいは限局性神経皮膚炎とよばれた病変と同義である。初めて記載したパリの皮膚科医ビダールEmilie Vidal(1825―93)にちなんでビダール苔癬とよばれる。好発部位は項部(うなじ、首の後方)や側頸部(そくけいぶ)などで、まずかゆくなってかいているうちに、ぶつぶつ(丘疹(きゅうしん))が密集してきて皮丘と皮溝が著明となり、皮丘は乾燥して肥厚隆起し、皮溝は深く大きくなって苔癬化局面を形成する。この局面は比較的境界が明確であるが、ときに不明確な場合もあり、円形または不整形で、大きさは母指頭大から鶏卵大程度である。正常皮膚色のこともあるが、普通は淡紅色または灰白色で、表面にふけ状の鱗屑(りんせつ)がわずかについている。周囲には扁平(へんぺい)丘疹が散在することがある。病巣にはかきむしったために血液の乾いた血痂(けっか)をかぶっていることはあるが、湿潤するようなことはない。
 治療としては、副腎(ふくじん)皮質ホルモン剤を含有した軟膏(なんこう)またはクリームを外用する。痒が強い時にはかきむしらないようにするため、経口的に抗ヒスタミン剤を併用する。[伊崎正勝・伊崎誠一]

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