フェロー諸島(読み)フェローショトウ(英語表記)Föroyar

デジタル大辞泉 「フェロー諸島」の意味・読み・例文・類語

フェロー‐しょとう〔‐シヨタウ〕【フェロー諸島】

Faroe大西洋英国の北400キロメートルにあるデンマーク自治領。14世紀までノルウェー領。外交・防衛以外の内政分野で大幅な自治が認められており、本国とは別にEU未加盟。牧羊漁業が盛ん。人口5.3万(2021)。

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共同通信ニュース用語解説 「フェロー諸島」の解説

フェロー諸島

北大西洋アイスランドと英国スコットランドの間に位置するデンマークの自治領。幅広い自治権を認められており、協定締結や税制について自ら決定する権限を持つ。主に18の島から成り、面積は静岡市とほぼ同じ約1400平方キロ。人口は約5万人。漁業が経済の中核で、日本にはサケ白身魚などを輸出している。対日交流にも熱心で、捕鯨の伝統があるクラクスビーク町は今年1月、捕鯨やイルカ追い込み漁で知られる和歌山県太地町と姉妹都市提携を結んだ。

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精選版 日本国語大辞典 「フェロー諸島」の意味・読み・例文・類語

フェロー‐しょとう‥ショタウ【フェロー諸島】

  1. ( フェローはFaeroe ) 大西洋北部、イギリスとアイスランドとの間にある諸島。デンマーク自治領。一八火山島からなる。暖流影響で北緯六二度にありながら港は冬も凍らない。北洋漁業根拠地。中心都市トルシェハウン。フェレエルネ諸島。フェロヤル。

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改訂新版 世界大百科事典 「フェロー諸島」の意味・わかりやすい解説

フェロー[諸島]
Föroyar

スコットランドの北方大西洋上にある島々で,現在はデンマークの自治領。面積約1399km2,人口4万4000(1996)。住民はノルウェー西部の方言に似たフェロー語を話し,彼らの先祖は先住のアイルランド隠修士を追い出したノルウェーのバイキングである。9世紀初めに入植,1000年ころキリスト教化され,1035年にノルウェーの版図に組み込まれた。1380年ノルウェーとデンマークが同君連合に入って以来,デンマークの支配を受け,1852年以降,独自の公用語と旗を認められた自治領となった。中心都市はストレイム島のトウシュハウンThorshavn(人口1万5000,1996)で,冬の平均気温は3.9℃(1月)と北欧では最も高いが,夏は11.1℃(8月)と冷涼で,降水量も本国の2倍以上の1433mmという典型的な海洋性気候である。溶岩を基盤としているこの諸島は,かつては名のごとく〈羊の島〉であったが,産業の中心を19世紀後半に農業から漁業に転じ,漁業の保護を目的として,本国のEC加盟(1973)に従わなかった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェロー諸島」の意味・わかりやすい解説

フェロー諸島
フェローしょとう
Faeroe Islands

デンマーク語ではフェレールネ Færøerne。北大西洋,アイスランド島とシェトランド島の間に浮かぶ島嶼。デンマーク王国内の自治領を形成し,首都トルスハウン。 21の火山諸島から構成され,うち4島は無人島。ストレメ島とエステレ島が最も大きい。港湾は温暖な北大西洋海流の影響で不凍。漁業,狩猟,ヒツジの飼育が盛ん。古代スカンジナビア人によって植民され,11世紀にキリスト教化。その後ノルウェーに支配され,1380年デンマークに統治権が移った。住民はノルウェーからの移住者の子孫。 1912年フェロー語の公的使用許可,1938年にはフェロー語のみによる教育が行なわれ,1948年に自治権を獲得。 1900年以降,牧羊を中心とする農業から漁業,特にタラ漁とその関連産業に重点をおいた近代的経済へと転換し,島の経済は急速に発展した。羊毛は直接輸出されるか,原毛として島内の家内織物工業へ供給される。デンマーク,アイスランド,そして夏季にはシェトランド島との間に定期船がある。ほとんどの住民はデンマーク国教教会に属するルター派キリスト教徒である。面積 1399km2。人口 4万8600(2011推計)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェロー諸島」の意味・わかりやすい解説

フェロー諸島
ふぇろーしょとう
Faeroe Islands

北部大西洋上にあるデンマーク自治領の島々。イギリスとアイスランドの中間付近に位置する。デンマーク語名フェアエーアネ(フェレルネ)Færøerne諸島。島民はフェロヤルFøroyar島とよぶ。フェローは英語名。面積1399平方キロメートル、人口4万6996(2001)。18島からなり、1島を除き全島に人が住む。最大の島はストレイモイ島(373平方キロメートル)で、同島のトゥシュハウンThorshavn(人口1万8070。2001)が中心都市である。北方に位置するが、海流の影響で2月の平均気温は4℃であり、北欧のなかでもっとも冬季は温暖である。植生は草原が圧倒的。

 住民はノルウェーに発するバイキングの末裔(まつえい)で、言語は、北ゲルマン系、古ノルド語の特徴を保つ、アイルランド語に近似のフェロー語が用いられる。1380年のデンマーク・ノルウェー連合王国の成立以来、デンマークの支配下にあった。1849年以降デンマーク議会に代表を送り、1852年独自の議会をも有し、1948年自治権を得た。デンマークはEU(ヨーロッパ連合)加盟国だが、フェロー諸島は非加盟。

[村井誠人]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「フェロー諸島」の解説

フェロー諸島(フェローしょとう)
Faroes

北大西洋に位置するデンマークの自治領。8世紀にアイルランドの聖職者によって発見され,9世紀からノルウェーのヴァイキングが入植を始めた。その後,キリスト教化が進み,1035年にノルウェー領となるが,1380年にデンマーク王がノルウェー王を兼ねることになったため,デンマーク統治下に置かれ現在に至る。1948年フェロー自治法が制定され,自治権を獲得,独自の自治政府,自治議会を有することとなった。

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