フランスの美術批評家。サント・フォア・ラ・グランドSainte-Foy-la-Grande生れ。医者,生物学者でもあり,独学で美術を学ぶ。時代や様式よりもまず作品の形態を見ようとする彼は,時代や文化の相違を超えて類似する形態に同じようなダイナミズムを見いだす。著書《形態の精神》(1927)で著したものは,有機体のような進化発展をとげる形態の世界であり,そこには自然と同様の秩序や法則が介在しているとする。ウェルフリンの,様式がおのずから展開してゆくとする議論と一見似ていながら,フォールは形態の発展をあくまでも汎神論的な視点からとらえる。彼はA.マルローに影響を与えた。著作集(全3巻,1964)がある。
執筆者:馬渕 明子
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フランスの政治家、第三共和政第6代大統領。ル・アーブルの実業家出身。同市の商工会議所会頭、市助役を経て、1881年穏健共和派の代議士となる。ガンベッタ内閣の植民・通産次官、ついでフェリー内閣の海軍・植民次官を歴任、タヒチ、ニュー・カレドニア、アフリカ西海岸などの植民地経営を推進した。1892年下院副議長、1894年海軍相を務めたのち、1895年1月王党派のブリッソンを破り大統領に選出された。在任中、外政ではマダガスカルの領有とロシア・フランス同盟の強化に成功したが、内政ではドレフュス事件によって国論が二分される危機に直面した。フォールは、ドレフュス再審拒否の立場をとったが、その渦中の1899年1月、エリゼ宮で脳溢血(のういっけつ)のため急死した。
[谷川 稔]
フランスの政治家。弁護士出身。第二次世界大戦中はドゴールの自由フランス運動に参加した。戦後は急進社会党に加入し下院議員(1946~1958)、上院議員(1959~1966)を務めた。第四共和政下で閣僚を歴任し二度首相を務め(1952、1955~1956)、とくに第二次内閣ではモロッコ、チュニジアの民族運動との和解に努めた。第五共和政下でふたたび閣僚を歴任し、その間1963年にはドゴール大統領の特使として中国を訪問し中国承認の道をつけた。1968年の五月革命後は文相としてフランスの高等教育の改革を主導し、大学の自治、学生参加などを実現した。1967年から1980年までふたたび下院議員を務め、1973年から1978年まで下院議長。
[平瀬徹也]
フランスの詩人。ランスに生まれる。18歳でパリに出て象徴派詩人たちと交わり、芸術座(現在の作品座)を設立して象徴劇運動の一翼を担う。1894年ごろから詩を書き始め、『フランスのバラード』Ballades françaises(1922~49)の総題で30巻の詩集を次々と発表した。伝承的な主題を民謡風の節回しにのせる自由で軽やかな手法は、ラフォルグやコルビエールを思わせるが、都会風ではなく、田園に生きる人々の素朴な情感を歌っている。文芸誌『詩と散文』(1905)を主宰した。
[安藤元雄]
フランスの美術史学者、著述家。兄レオンスは農学者、もう1人の兄ジャン・ルイは外科医として知られている。さまざまな視点の広がりをもって記述された主著『美術の歴史』全4巻(1909~21)は、あらゆる美術作品が普遍的な文明のもつ生命の息吹の表現であるという考え方を基にしており、アンドレ・マルローやルネ・ユイグらにも大きな影響を与えた。ほかに『形態の精神』(1927)などがある。
[鹿島 享]
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1841~99
フランスの政治家。富裕な貿易商から穏和共和派の代議士となり,海軍大臣をへて,大統領(在任1895~99)となった。94年以来のドレフュス事件の騒動においては,保守派と結んでドレフュスの再審に反対し続けた。
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…審判員の構成は,マット上の試合を円滑に運行するレフェリー,採点を記入担当するジャッジ,その両者を監督し,最終判定を行うマットチェアマンの3名で構成される。競技者は互いに〈フォールfall〉(相手の背中を1秒間マットにつける)を目的に,またフォールのない場合は,技術得点をより多く取ることで判定勝ちを得る。ただし現行ルールでは3ポイントノルマ制であり,それに達しない場合には最大3分間の延長を行い,3ポイントを奪取した時点で終了する。…
…広くは,〈生活様式〉〈行動様式〉などという場合のように,人間の行為のあり方,ないしは,さまざまの行為,表現を特徴づける諸性格の総体を指して〈様式〉と呼ぶが,とくに芸術において,作品をある時代,地域,民族,あるいはその他の特定のグループに分類することを可能ならしめる表現上の特色の総体を〈様式〉という。たとえば,〈ゴシック様式〉は,ゴシック時代の建築,彫刻,絵画,工芸等の形式的統一を特徴づけるある共通した性格の総体を指して用いられるし,〈ナビ派の様式〉は,このグループに属する芸術家の作品に共通して見られる表現上の特性全体を意味する。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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