フォール(読み)ふぉーる(英語表記)Félix Faure

デジタル大辞泉 「フォール」の意味・読み・例文・類語

フォール(fall)

[名](スル)
落ちること。落下。
fall of the leaf(落葉の季節)から》秋。
(falls)滝。瀑布ばくふ
レスリングで、相手の両肩を同時にマットにつけること。アマチュアでは1秒間、プロでは3秒間。この瞬間に勝敗が決まり、試合終了となる。「フォール勝ち」
カメラの下方向へのあおり。商品撮影などで、被写界深度を調節するためなどに行われる。→ライズ2

フォール(Paul Fort)

[1872~1960]フランスの詩人・劇作家。象徴劇運動を推進。また、素朴な日常生活や風土を豊かなイメージでうたった。詩集「フランスのバラード」など。

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精選版 日本国語大辞典 「フォール」の意味・読み・例文・類語

フォール

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] fall )
  2. レスリングの決め技の一つ。相手をおさえこみ、両肩を同時に一秒間マットにおさえつけること。
  3. プロレスリングで相手をおさえこみ、両肩を連続三秒間マットにつけること。
    1. [初出の実例]「遠藤幸吉がオートンをフォールしたらしいわ」(出典:白い魔魚(1956)〈舟橋聖一〉水ぎわの宿)
  4. ダンスで、つま先で立っている状態から、かかとをおろして床につけること。

フォール

  1. ( Paul Fort ポール━ ) フランスの詩人、劇作家。象徴派の後期に属し、田園の美しさと民衆の心を平易な散文詩でうたった。文芸誌「詩と散文」を主宰。代表詩集「フランス歌謡集」。(一八七二‐一九六〇

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改訂新版 世界大百科事典 「フォール」の意味・わかりやすい解説

フォール
Élie Faure
生没年:1873-1937

フランスの美術批評家。サント・フォア・ラ・グランドSainte-Foy-la-Grande生れ。医者,生物学者でもあり,独学で美術を学ぶ。時代や様式よりもまず作品の形態を見ようとする彼は,時代や文化の相違を超えて類似する形態に同じようなダイナミズムを見いだす。著書《形態の精神》(1927)で著したものは,有機体のような進化発展をとげる形態の世界であり,そこには自然と同様の秩序や法則が介在しているとする。ウェルフリンの,様式がおのずから展開してゆくとする議論と一見似ていながら,フォールは形態の発展をあくまでも汎神論的な視点からとらえる。彼はA.マルローに影響を与えた。著作集(全3巻,1964)がある。
執筆者:

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フォール」の意味・わかりやすい解説

フォール(Félix Faure)
ふぉーる
Félix Faure
(1841―1899)

フランスの政治家、第三共和政第6代大統領。ル・アーブルの実業家出身。同市の商工会議所会頭、市助役を経て、1881年穏健共和派の代議士となる。ガンベッタ内閣の植民・通産次官、ついでフェリー内閣の海軍・植民次官を歴任、タヒチ、ニュー・カレドニア、アフリカ西海岸などの植民地経営を推進した。1892年下院副議長、1894年海軍相を務めたのち、1895年1月王党派のブリッソンを破り大統領に選出された。在任中、外政ではマダガスカルの領有とロシア・フランス同盟の強化に成功したが、内政ではドレフュス事件によって国論が二分される危機に直面した。フォールは、ドレフュス再審拒否の立場をとったが、その渦中の1899年1月、エリゼ宮脳溢血(のういっけつ)のため急死した。

[谷川 稔]


フォール(Edgar Faure)
ふぉーる
Edgar Faure
(1908―1988)

フランスの政治家。弁護士出身。第二次世界大戦中はドゴールの自由フランス運動に参加した。戦後は急進社会党に加入し下院議員(1946~1958)、上院議員(1959~1966)を務めた。第四共和政下で閣僚を歴任し二度首相を務め(1952、1955~1956)、とくに第二次内閣ではモロッコ、チュニジアの民族運動との和解に努めた。第五共和政下でふたたび閣僚を歴任し、その間1963年にはドゴール大統領の特使として中国を訪問し中国承認の道をつけた。1968年の五月革命後は文相としてフランスの高等教育の改革を主導し、大学の自治、学生参加などを実現した。1967年から1980年までふたたび下院議員を務め、1973年から1978年まで下院議長。

[平瀬徹也]


フォール(Paul Fort)
ふぉーる
Paul Fort
(1872―1960)

フランスの詩人。ランスに生まれる。18歳でパリに出て象徴派詩人たちと交わり、芸術座(現在の作品座)を設立して象徴劇運動の一翼を担う。1894年ごろから詩を書き始め、『フランスのバラード』Ballades françaises(1922~49)の総題で30巻の詩集を次々と発表した。伝承的な主題を民謡風の節回しにのせる自由で軽やかな手法は、ラフォルグコルビエールを思わせるが、都会風ではなく、田園に生きる人々の素朴な情感を歌っている。文芸誌『詩と散文』(1905)を主宰した。

安藤元雄


フォール(Élie Faure)
ふぉーる
Élie Faure
(1873―1937)

フランスの美術史学者、著述家。兄レオンスは農学者、もう1人の兄ジャン・ルイは外科医として知られている。さまざまな視点の広がりをもって記述された主著『美術の歴史』全4巻(1909~21)は、あらゆる美術作品が普遍的な文明のもつ生命の息吹の表現であるという考え方を基にしており、アンドレ・マルローやルネ・ユイグらにも大きな影響を与えた。ほかに『形態の精神』(1927)などがある。

[鹿島 享]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フォール」の意味・わかりやすい解説

フォール
Faure, Edgar

[生]1908.8.18. ベジエ
[没]1988.3.30. パリ
フランスの政治家。第2次世界大戦中は国民解放フランス委員会 CFLNの立法を担当,ニュルンベルク裁判ではフランス検事団に参加。 1946~58年下院議員 (急進社会党) ,その後上院議員となり,68年6月から再び下院議員 (共和国民主連合) 。第四共和政下で蔵相,外相,法相を歴任したほか,52,55~56年首相をつとめた。また第五共和政下では 62年ディジョン大学法学部教授,66~68年農相,次いで 68~69年文相となり,高等教育基本法により大学改革にあたったが,G.ポンピドー大統領と意見が対立し 69年6月解任。 72~73年 P.メスメル内閣の労働社会問題相をつとめた。推理作家としても知られていた。

フォール
Faure, Félix

[生]1841.1.30. パリ
[没]1899.2.16. パリ
フランスの政治家。第三共和政の第6代大統領 (在任 1895~99) 。 1881年8月セーヌアンフェリュール県選出の議員となり,94年海相として入閣,95年1月右翼と穏健派の支持を得て国家元首となった。ロシアとの関係の強化に尽力し,マダガスカル島を征服したが,ドレフュス事件ファショダ事件に接し,共和政に対する攻撃が強まるなかでエリゼ宮で急死。

フォール
Fort, Paul

[生]1872.2.1. ランス
[没]1960.4.20. アルジャンリュー
フランスの詩人,劇作家。若くしてパリに出,象徴主義運動に参加。「芸術座」を創立し,自他の作品を上演 (1890~93) ,雑誌『詩と散文』 Vers et Prose (1905~14) を編集,象徴主義運動の大きな推進力となった。民謡を思わせる素朴で自由なリズムをもつ豊富な詩作品は,『フランスのバラード』 Ballades françaises (46巻,1897~1949) に収められている。

フォール
Faure, Elie

[生]1873. サントフォフラグランド
[没]1937. パリ
フランスの美術史家,批評家。哲学的な視点から美術と文化の関係を論じ,A.マルローに影響を与えた。主著『世界美術史』 Histoire de l'art (1909~21) 。

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旺文社世界史事典 三訂版 「フォール」の解説

フォール(エドガー)
Edgar Faure

1908〜88
フランスの政治家
パリで弁護士を開業し,第二次世界大戦が勃発すると,ド=ゴールのロンドン亡命政権に参加して対独レジスタンス運動を行った。戦後,ニュルンベルク裁判では,フランス副代表をつとめた。1946年下院議員となり,52年1月,43歳の若さで首相となったが,増税法案をめぐる紛糾 (ふんきゆう) でわずか40日間で倒れた。1955年2月,再び首相となり,ジュネーヴ4巨頭会談を行った。

フォール(フランソワ)
François Félix Faure

1841〜99
フランスの大統領(在任1895〜99)
富裕な船主から穏和共和派の代議士となり,海相などをへて1895年大統領となる。マダガスカルの領有,露仏同盟の締結,ファショダ事件やドレフュス事件などを手がけ,特にドレフュス事件ではドレフュスの再審に頑強に反対した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「フォール」の解説

フォール
François Félix Faure

1841~99

フランスの政治家。富裕な貿易商から穏和共和派の代議士となり,海軍大臣をへて,大統領(在任1895~99)となった。94年以来のドレフュス事件の騒動においては,保守派と結んでドレフュスの再審に反対し続けた。

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カメラマン写真用語辞典 「フォール」の解説

フォール

「ライズ」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のフォールの言及

【レスリング】より

…審判員の構成は,マット上の試合を円滑に運行するレフェリー,採点を記入担当するジャッジ,その両者を監督し,最終判定を行うマットチェアマンの3名で構成される。競技者は互いに〈フォールfall〉(相手の背中を1秒間マットにつける)を目的に,またフォールのない場合は,技術得点をより多く取ることで判定勝ちを得る。ただし現行ルールでは3ポイントノルマ制であり,それに達しない場合には最大3分間の延長を行い,3ポイントを奪取した時点で終了する。…

【様式】より

…広くは,〈生活様式〉〈行動様式〉などという場合のように,人間の行為のあり方,ないしは,さまざまの行為,表現を特徴づける諸性格の総体を指して〈様式〉と呼ぶが,とくに芸術において,作品をある時代,地域,民族,あるいはその他の特定のグループに分類することを可能ならしめる表現上の特色の総体を〈様式〉という。たとえば,〈ゴシック様式〉は,ゴシック時代の建築,彫刻,絵画,工芸等の形式的統一を特徴づけるある共通した性格の総体を指して用いられるし,〈ナビ派の様式〉は,このグループに属する芸術家の作品に共通して見られる表現上の特性全体を意味する。…

※「フォール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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