マット(読み)まっと(英語表記)mat

翻訳|mat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マット」の意味・わかりやすい解説

マット
matte

硫化鉱の溶融精錬において,炉中で溶け合って生成する金属硫化物の混合物。目的とする金属を得るには,これをさらに精錬する。たとえば銅の精錬で,黄銅鉱を焼いて得た酸化鉄と硫化第一銅の混合物を反射炉に入れて熱すると,酸化鉄は鉱石中に含まれる二酸化ケイ素と化合してケイ酸塩となり,上部に浮び,硫化第一銅はこの過程で生じた酸化第一銅とともに融解して下部に沈む。これをマットといい,上部に浮ぶスラグ (鉱滓 ) を「からみ」という。マットを転炉中で熱しながら空気を吹込むと銅を生じるので,これを型に入れ固化させると粗銅となる。これは電解精錬されて電気銅となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マット」の意味・わかりやすい解説

マット
まっと
mat

麻、木綿、藁(わら)、藺(い)などで織った粗地の織物、または詰め物を中に入れた厚手の床に敷く敷物をいう。前者には玄関の靴ぬぐいや浴室のバスマットのように、ぬぐう目的で使われるものと、茣蓙(ござ)や莚(むしろ)のように部屋に敷くためのものとがある。また後者は運動のときなどに緩衝用として使われる。なお、花瓶や飾り皿などの下敷き用の小形の敷物をさすこともある。

[小原二郎]

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