フライバイワイヤ(その他表記)fly-by-wire; FBW

デジタル大辞泉 「フライバイワイヤ」の意味・読み・例文・類語

フライ‐バイ‐ワイヤ(fly-by-wire)

飛行機操縦システムを電気的に行うこと。操縦桿そうじゅうかんペダルなどの機械的な動きを、ケーブル油圧装置を使うことで補助翼昇降舵に直接伝達する従来方式に対し、電気信号に変換して操縦システムを制御する方式を指す。FBW

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フライバイワイヤ」の意味・わかりやすい解説

フライ・バイ・ワイヤ
fly-by-wire; FBW

航空機において,電気信号を使って操縦する装置。電気操縦装置ともいう。航空機の操縦装置には,操縦士が操作する操縦桿の動きを機械的に油圧または電気サーボ装置に伝達し,操縦翼面を動かして航空機の姿勢を制御する方法がとられてきた。 FBWはこうした機械的な動きの代わりに,電線 (ワイヤ) を通して伝達される電圧量を操縦に利用する。これによりコンピュータの指示に基づく操縦が可能となったことから,CCVのような複雑な運動が可能になるとともに,運動性の向上重量軽減など多くの利点をもつ航空機の製作ができるようになった。最初に FBWを適用した航空機はアメリカ空軍ゼネラル・ダイナミックスF-16ファイティングファルコン戦闘機で,近年では軍用機旅客機など FBWの使用が増えている。 FBWは信頼性を高めるため,一般に四重の信号系統となっている。 (→フライ・バイ・ライト )

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百科事典マイペディア 「フライバイワイヤ」の意味・わかりやすい解説

フライバイワイヤ

昇降舵や方向舵などの飛行機の舵の作動に,油圧や索による機械的な操縦系統にかえて電気信号による電気的な系統を利用したシステム。パイロットの操縦桿などの操作が電気信号に変換されて,ワイヤを通して舵のところまで送られる。操縦性整備性の向上,機体重量の軽減などが可能になる。エアバスA320,ボーイング777などに採用されている。
→関連項目操舵装置

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世界大百科事典(旧版)内のフライバイワイヤの言及

【CCV】より

…CCVに適用される技術を能動制御技術active control technologyと呼び,主要なものとして,以下のものがある。(1)索や油圧による機械的な操縦系統の代りに電気的な系統を使用し,安定した操縦を実現するために機上のコンピューターを利用するフライ・バイ・ワイヤfly‐by‐wire(電気操縦装置)。これにより,操縦性および整備性の向上,機体重量の軽減などが可能となる。…

【飛行機】より

…また最近は油圧作動筒の代りに電動機を取り付け,これを操縦席と電気的に連結し,操縦者が電気信号を送ればそれに対応して舵が動くというシステムもある。これをフライ・バイ・ワイヤfly‐by‐wireという。
[最大速度と巡航速度]
 飛行機は,昇降舵を操作して迎え角を変え,スロットルレバーを操作して推力を加減することにより,任意の速度で水平飛行ができるようになっている。…

※「フライバイワイヤ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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