労働者が一定の定められた時間帯の中で労働の始期と終期を自由に決定できる労働時間制。ドイツではgleitende Arbeitzeit,英米ではflexible working hoursと称されている。一般的には,すべての労働者が勤務すべき核時間(コア・タイムcore time)と労働者の選択にゆだねられる自由勤務時間flexible timeから構成される。労働時間の決定を各労働者の自由にゆだねることにより,労働者の個人生活の尊重,労働の活性化や時間外労働の減少を目的とする。この制度は,1967年に西ドイツのメッサーシュミット社で最初に採用され,70年ころからヨーロッパにおいて普及したといわれる。導入の背景としては,通勤問題の解決(時差出勤),アブセンティイズム,とくに〈病休〉への対応および労働力の定着化があげられている。日本においては73年ころからこの制度を導入する企業が増加している。
執筆者:道幸 哲也
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(桑原靖夫 獨協大学名誉教授 / 2007年)
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