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イタリア人の父とドイツ人の母をもつ作曲家,ピアノ奏者。フィレンツェに近いエンポリで生まれ,グラーツで少年時代を過ごす。リスト以降最大のビルトゥオーソの一人として,欧米各地で多大な名声を博す。1894年以後主としてベルリンで活躍。作曲家としては,古典,ことにJ.S.バッハに深い敬愛を示し(多くの編曲を残す),オペラ《嫁選び》(1910),《アルレッキーノ》(1916),《ファウスト博士》(未完。1925年に友人P. ヤルナッハの手で完成され初演)のほか,数多いピアノ曲(とくに《ピアノ協奏曲》1904,《対位法的幻想曲》1912,6曲の《ソナチネ》1912-20)が有名。理論家としては,《音芸術の新美学》(1907)において,新しい音階の可能性,微分音,オペラにおける古典的な明瞭性をもった言葉づけなどを提唱し,1920年代の新即物主義や〈バッハに帰れ〉のスローガンを先取りしたといわれる。
執筆者:細川 周平
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イタリアのピアノ奏者、作曲家。幼少より音楽的天才、神童として知られ、ヨーロッパ各地を演奏旅行した。1891~94年にはアメリカで音楽活動をし、帰欧後はベルリンをおもな本拠地に置く。作品のなかではバッハの作品のピアノ編曲、ピアノのための『対位法的幻想曲』(1922)、六曲の『ソナチネ』など、ピアノ曲がとくに有名だが、オペラ『花嫁選び』(1908~10)、『アルレッキーノ』(1914~16)、『トゥーランドット』(1917)、『ファウスト博士』(未完、1916年より着手、のち弟子のヤルナッハにより補作され25年初演)にみなぎるロマン主義的幻想性と古典主義的即物性のみごとな調和も忘れがたい。著作『新しい音楽美学のプラン』(1907)では、その後の新古典主義、微分音音階があらかじめ理論的に根拠づけられている。ロマン主義と20世紀前半の音楽を結ぶ重要な音楽家である。
[細川周平]
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出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報
…ワーグナー信奉者であったボーイトは,従来のイタリア歌劇の作劇法から脱却した壮大な劇的作品として構想したが,ゲーテの《ファウスト》を最も忠実にまんべんなく描き出そうとしたために長大なものとなり,75年短縮・改訂した。(e)20世紀の代表的なものにはブゾーニのオペラ《ドクトル・ファウスト》がある。ブゾーニ自身の台本で作曲。…
※「ブゾーニ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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