ブゾーニ

デジタル大辞泉 「ブゾーニ」の意味・読み・例文・類語

ブゾーニ(Ferruccio Benvenuto Busoni)

[1866~1924]イタリアのピアノ奏者・作曲家。過去のピアノ曲の校訂や、バッハの作品のピアノ編曲で知られる。

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精選版 日本国語大辞典 「ブゾーニ」の意味・読み・例文・類語

ブゾーニ

  1. ( Ferruccio Benvenuto Busoni フェルッチオ=ベンベヌート━ ) イタリアのピアニスト、作曲家。一九世紀後半から二〇世紀初めにかけての最大の演奏家。作曲にも優れ、イタリア的な独自の感覚作風樹立、またバッハやベートーベンのピアノ曲の校訂は有名。(一八六六‐一九二四

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百科事典マイペディア 「ブゾーニ」の意味・わかりやすい解説

ブゾーニ

イタリアの作曲家,ピアノ奏者。両親ともに音楽家で,母はドイツ系。フィレンツェに近いエンポリで生まれ,オーストリアグラーツで少年期を送る。早くから神童として鳴らし,ウィーンでの演奏会ではハンスリックの絶賛を浴びた。以後欧米各地でビルトゥオーソとして名声を高める一方,1888年J.S.バッハのクラビーア作品の校訂・ピアノ用編曲に着手ヘルシンキモスクワボストンで教職に就いたのち1894年以降はベルリンを拠点にした。以後,演奏と教職のかたわら本格的な作曲活動に入り,《バイオリン・ソナタ第2番》(1900年),《ピアノ協奏曲》(1904年)などを発表。1907年には主著《音芸術の新美学》(増補改訂1910年)を刊行。長短調に代わる新たな音階を提唱し,楽曲形式の変革や多調,微分音を論じた。その後の代表作に,ピアノ曲《対位法的幻想曲》(1912年),《ソナチネ》6曲(1912年−1920年),管弦楽曲《悲しき子守歌》(1909年),オペラ《嫁選び》(1910年),《アルレッキーノ》(1916年),マーローの原作による未完の《ファウスト博士》(1916年−1924年,親友の作曲家P.ヤルナッハ〔1892-1982〕により補筆・完成され1925年初演)などがある。→バレーズワイル
→関連項目クルシェネクハスキルルリエ

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改訂新版 世界大百科事典 「ブゾーニ」の意味・わかりやすい解説

ブゾーニ
Feruccio Busoni
生没年:1866-1924

イタリア人の父とドイツ人の母をもつ作曲家,ピアノ奏者。フィレンツェに近いエンポリで生まれ,グラーツで少年時代を過ごす。リスト以降最大のビルトゥオーソの一人として,欧米各地で多大な名声を博す。1894年以後主としてベルリンで活躍。作曲家としては,古典,ことにJ.S.バッハに深い敬愛を示し(多くの編曲を残す),オペラ《嫁選び》(1910),《アルレッキーノ》(1916),《ファウスト博士》(未完。1925年に友人P. ヤルナッハの手で完成され初演)のほか,数多いピアノ曲(とくに《ピアノ協奏曲》1904,《対位法的幻想曲》1912,6曲の《ソナチネ》1912-20)が有名。理論家としては,《音芸術の新美学》(1907)において,新しい音階の可能性,微分音,オペラにおける古典的な明瞭性をもった言葉づけなどを提唱し,1920年代の新即物主義や〈バッハに帰れ〉のスローガンを先取りしたといわれる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブゾーニ」の意味・わかりやすい解説

ブゾーニ
ぶぞーに
Ferruccio Busoni
(1866―1924)

イタリアのピアノ奏者、作曲家。幼少より音楽的天才、神童として知られ、ヨーロッパ各地を演奏旅行した。1891~94年にはアメリカで音楽活動をし、帰欧後はベルリンをおもな本拠地に置く。作品のなかではバッハの作品のピアノ編曲、ピアノのための『対位法的幻想曲』(1922)、六曲の『ソナチネ』など、ピアノ曲がとくに有名だが、オペラ『花嫁選び』(1908~10)、『アルレッキーノ』(1914~16)、『トゥーランドット』(1917)、『ファウスト博士』(未完、1916年より着手、のち弟子のヤルナッハにより補作され25年初演)にみなぎるロマン主義的幻想性と古典主義的即物性のみごとな調和も忘れがたい。著作『新しい音楽美学のプラン』(1907)では、その後の新古典主義、微分音音階があらかじめ理論的に根拠づけられている。ロマン主義と20世紀前半の音楽を結ぶ重要な音楽家である。

[細川周平]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブゾーニ」の意味・わかりやすい解説

ブゾーニ
Busoni, Ferruccio (Benvenuto)

[生]1866.4.1. フィレンツェ近郊エンポリ
[没]1924.7.27. ベルリン
イタリアの作曲家,ピアニスト。両親とも音楽家。ウィーンとライプチヒで学び,1888年にヘルシンキの音楽学校のピアノ教授となる。 94~1914年にベルリンで現代音楽や J.S.バッハ,ベートーベン,リストなどの作品の指揮をし,第1次世界大戦中はチューリヒでオペラの作曲を試み,20年ベルリンに戻り,ベルリン高等音楽学校の作曲教授となる。多くのピアノ曲の校訂と編曲をした。未完のオペラ『ファウスト博士』は弟子 P.ヤルナッハが完成。

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ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者) 「ブゾーニ」の解説

ブゾーニ

ドイツ系イタリア人の作曲家、ピアニスト。父はクラリネット奏者、母はピアニストであった。早くから音楽教育を受け、8歳で最初の演奏会を開く。その際ルビンシテインもブゾーニの演奏を聴き、その後も彼に ...続き

出典 (社)全日本ピアノ指導者協会ピティナ・ピアノ曲事典(作曲者)について 情報

世界大百科事典(旧版)内のブゾーニの言及

【ファウスト】より

…ワーグナー信奉者であったボーイトは,従来のイタリア歌劇の作劇法から脱却した壮大な劇的作品として構想したが,ゲーテの《ファウスト》を最も忠実にまんべんなく描き出そうとしたために長大なものとなり,75年短縮・改訂した。(e)20世紀の代表的なものにはブゾーニのオペラ《ドクトル・ファウスト》がある。ブゾーニ自身の台本で作曲。…

※「ブゾーニ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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