ブッカー賞(読み)ブッカーショウ(その他表記)Booker Prize

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブッカー賞」の意味・わかりやすい解説

ブッカー賞
ぶっかーしょう
Booker Prize

イギリスの文学賞。イギリスでもっとも権威ある文学賞の一つで、世界的にもよく知られている。1968年に創設され、翌1969年に第1回の表彰が行われた。ブッカー賞は通称で、正式名称はマン・ブッカー小説賞The Man Booker Prize for Fiction。賞のスポンサーであるイギリスの投資会社マン・グループMan Groupに由来する。賞の対象は、イギリスとイギリス連邦諸国およびアイルランド国籍の作家が執筆し、イギリスの出版社から刊行された長編小説に限られていた。しかし、2014年の選考からこの国籍条項が撤廃されることになり、英語で執筆された作品であれば、世界中の作家と作品が対象になる。当然アメリカ人作家の作品も対象となるため、賞の独自性が損われるのではないかとの懸念が示されている。毎年9月に最終候補作の6作が公表され、10月に授賞作が発表される。受賞者には賞金5万ポンドが贈呈される。1969年のブッカー賞創設時には、イギリスのブッカーマコンネル社が後ろ盾となっていたため、2001年までブッカー・マコンネル小説賞The Booker McConnell Prize for Fictionが正式名称であった。

 第1回の受賞作は、イギリスの小説家ニュービィPercy Howard Newby(1918―1997)の『Something to Answer for』。2013年の第45回ブッカー賞は、同賞史上最年少となる28歳のニュージーランド出身の作家、カットンEleanor Catton(1985― )の『Luminaries』が受賞した。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ブッカー賞」の意味・わかりやすい解説

ブッカー賞【ブッカーしょう】

イギリスの最も権威のある文学賞の一つ。1969年に創設。イギリスとその旧植民地に住む作家がイギリスの出版社から出した小説が対象となっている。正式な名称はBooker McConnell Prize for Fiction。
→関連項目イシグロマードック

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android