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プリムラ Primula; primrose

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

プリムラ
Primula; primrose

サクラソウ科サクラソウ属の属名であるが,日本の園芸界では通常外国産の同属の種類をプリムラと呼んでいる。サクラソウ属は北半球の温帯に広く分布し,約 200種があって,特に東アジアの温帯に種類が多い。日本にもサクラソウ (桜草) をはじめ高山帯を中心に数種がある。外国産のいわゆるプリムラとしては,ヨーロッパ原産でイギリスで改良されたポリアンサスをはじめヨーロッパ系の種類としてアカウリス種 P. acaulis,オブコニカ種 P. obconica,中国大陸原産で小花が多数つくチュウカザクラ P. sinensisなどがあり,春早く室内を飾る鉢物として親しまれている。いずれもへら形の根出葉をロゼット状に生じ,株の中心から花茎を伸ばす。花は花茎の上部に散形状につくが,ポリアンサスでは赤,黄,青,白などがあって数花がつき,花冠の中心部の色が異なる。アカウリスでは淡紫色や紅色で,1花茎に1花がつき芳香がある。逆にオブコニカでは多数のピンクの小花が集ってつく。

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百科事典マイペディアの解説

プリムラ

サクラソウ科の一属で,全世界に約600種ある。おもに中国西部〜ヒマラヤに分布し,日本にもサクラソウクリンソウハクサンコザクラ等15種が自生。根茎のある多年草で,根生する葉の中から花茎をのばし,上部に散形状または輪状に花をつける。

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世界大百科事典 第2版の解説

プリムラ【primrose】

サクラソウ科サクラソウ属Primulaの植物は,北半球温帯域に約600種が分化している多年草であるが,日本産のサクラソウやクリンソウのように美しい花をつける種が多く,重要な園芸植物の一群となっている。日本では外国産のサクラソウ属園芸植物をプリムラと称することが普通で,ここでは外国産のもの,あるいは外国で観賞用に品種改良され,多く栽培されるものをとりあげる。(1)プリムラ・マラコイデス(和名ケショウザクラ,オトメザクラ)P.malacoides Franch.(英名fairy primrose)(イラスト)は中国雲南省原産。

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大辞林 第三版の解説

プリムラ【Primula】

サクラソウ科サクラソウ属の総称。普通、観賞用に栽培する外来種をさす。マラコイデス(オトメザクラ)・シネンシス・オブコニカ・ポリアンサなどがある。プリムローズ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

プリムラ
ぷりむら
[学]Primula

サクラソウ科サクラソウ属の総称。北半球の寒帯または山地に約500種あり、日本にサクラソウ、クリンソウなど約20種分布する。一般にプリムラというとき、このうち外来種をさす場合が多い。近年よく栽培されるのは、ポリアンサP. polyantha Mill、マラコイデスP. malacoides Franch.、オブコニカP. obconica Hanceなどである。ポリアンサはヨーロッパ原産の数種が交雑されてできあがったものである。葉はへら状で、花は大きく、花色は赤、桃、黄、青、白色など豊富である。マラコイデスはオトメザクラともいい、中国雲南省原産。茎葉や花蕾(からい)などに白粉をつけ、葉は有柄で長楕円(ちょうだえん)形、毛茸(もうじ)に覆われる。冬から初春、細い花茎を数本出し、赤、桃、白色などのサクラに似た花を散形状に数段つける。オブコニカはトキワザクラともいい、中国西部原産。葉は有柄で心臓形。開花期は長く、多くの花茎の先端に赤、桃、橙(だいだい)、青、白色などの、わりあい大きな花を球状に集めて開く。毛茸にプリミンを含み、かぶれることがある。これらのほか、矮性(わいせい)のものとしてジュリアンP. juriana hybridがある。また、まれに栽培されるものとして、カエデ状の葉をつけるシネンシスP. sinensis Lindl.や、黄色の花をつけるキューエンシスP. kewensis W. Wats.など数種がある。
 いずれも温室草花として取り扱う。5~7月に播種(はしゅ)するが、種子が微細なので、夏の暑さに弱く、栽培には技術を要する。夏は風通しのよい日よけ下で育て、生育に応じて鉢にあげ、秋は温室に取り込んで開花させる。冬の鉢花としては、シクラメンとともに代表的な種類である。[伊藤秋夫]

文化史

プリムラはラテン語で最初を意味し、春いちばんに咲くこの花の習性にちなむ。英名のプリムローズprimroseは、プリムラprimulaからプリムロールprimeroleを経て成立した。ドイツでは花序が鍵(かぎ)束に似ていることから、鍵の花Schsselblumeとよばれ、隠された財宝のドアをその花が開けるとする民話が伝わっている。イギリスにはプリムラ・ベリスPrimula veris L.(キバナノクリンザクラ)のような黄花種しか自生していなかったが、17世紀の初めに紫花のブルガリスP. vulgalis L.(イチゲザクラ)がトルコから伝わり、花色の改良が始められた。[湯浅浩史]

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世界大百科事典内のプリムラの言及

【サクラソウ(桜草)】より

…またクリンソウの近縁種がマレーシア,ジャワの東アジアの山地に,ユキワリソウの近縁種が南アメリカにも分布している。 園芸種のプリムラは,クリンザクラ(プリムラ・ポリアンタ)Ppolyantha Mill.(雑種起源),アツバサクラソウP.auricula L.(ヨーロッパ原産),ケショウザクラ(プリムラ・マラコイデス)P.malacoides Franch.(中国原産)などが有名で,多くの品種が作出されている。また日本産ではサクラソウ(多数の園芸品種(イラスト)がある)やクリンソウが鉢植えや花壇で草花として楽しまれている。…

【有毒植物】より

…イチョウの果肉(種皮)や葉に含まれるギンゴール酸も皮膚炎をおこす。花の美しいプリムラ類による皮膚炎の原因は,葉の腺毛に含まれるプリミンによるものである。パパイア,パイナップル,イチジクなどの乳液によるかぶれは,タンパク質分解酵素による刺激のためとされている。…

※「プリムラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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