日本大百科全書(ニッポニカ) 「プリムローズ」の意味・わかりやすい解説
プリムローズ
ぷりむろーず
William Primrose
(1903―1982)
イギリスのビオラ奏者。初めバイオリンを学び、ベルギーに留学してイザイに師事したが、師の勧めでビオラに転じ、この楽器の概念を一新させる独奏・室内楽活動で20世紀を代表するビオラ奏者とよばれた。1937年に創立されたNBC交響楽団の首席奏者に就任以来、アメリカを中心に活動、プリムローズ弦楽四重奏団、ハイフェッツ‐プリムローズ‐フォイアマン弦楽三重奏団、フェスティバル四重奏団で室内楽を行う一方、独奏者、教育者として活躍。72年(昭和47)初来日、東京芸術大学や桐朋(とうほう)音楽大学で教えた。バルトークの遺作となった『ビオラ協奏曲』の委嘱者としても知られる。
[岩井宏之]