日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘイリー」の意味・わかりやすい解説
ヘイリー(Arthur Hailey)
へいりー
Arthur Hailey
(1920―2004)
イギリス出身の小説家。貧しい家に生まれて高校にも行けなかった。第二次世界大戦中、イギリス空軍のパイロットとなる。1947年カナダに移住、56年からテレビドラマの脚本を手がけた。69年からはバハマに住んでいた。小説の処女作はジョン・カースルとの共作『0‐8滑走路』(1958)。以後『最後の診断』(1959)、『権力者たち』(1962)、『ホテル』(1965)、『大空港』(1968)、『自動車』(1972)、『マネーチェンジャーズ』(1976)、『エネルギー』(1979)など、綿密な調査に基づき、現代の巨大組織の内部構造をえぐる作品が多く、いずれもベストセラーとなった。これらの作品のほとんどは映画化された。その後の作品に、製薬業界を舞台にした『ストロング・メディスン』(1984)、テレビ局の顔であるニュース番組の制作現場を取り上げた『ニュース・キャスター』(1990)、そして7年ぶりの作品『殺人課刑事』(1997)などがある。
[田中啓史]
『高橋豊訳『ホテル』全2冊(新潮文庫)』▽『永井淳訳『マネーチェンジャーズ』全2冊『最後の診断』『自動車』『権力者たち』『エネルギー』全2冊『ストロング・メディスン』『ニュース・キャスター』『殺人課刑事』(新潮文庫)』▽『武田公子訳『大空港』(ハヤカワ文庫)』▽『アーサー・ヘイリー、ジョン・キャッスル著、清水政二訳『0‐8滑走路』(ハヤカワ文庫)』