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ヘカタイオス Hecataeus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヘカタイオス
Hecataeus

前5世紀頃のギリシア歴史家,地理学者。ミレトスの出身。広く旅行し,その見聞から『世界案内記』Periodos gēsを著し,世界地図を作成して各地の地誌,風俗を記録した。また『系譜』Genealogia(『歴史』Historiai)では旧家の伝説上の祖先である神話の英雄たちに批判的検討を試みた。いずれの著書も直接伝承されてはいない。のちにヘロドトスに批判されたが,その及ぼした影響は大きい。前500年のイオニア反乱に際し,ペルシアの強大さを知るゆえに,反乱の無謀さを指摘して反対した話もヘロドトスにより伝えられている。

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百科事典マイペディアの解説

ヘカタイオス

前500年ころ活躍したギリシアの歴史家,地誌作者。ミレトスの人。広く旅行し,ペルシア,エジプトなどの地誌,習慣,物語などを記した《世界周航記》,ギリシア神話に疑問を提出した《系譜》(または《歴史》)などがある。
→関連項目古地図

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世界大百科事典 第2版の解説

ヘカタイオス【Hekataios】

前6世紀後半から前5世紀前半にかけて活躍したギリシアの歴史家。生没年不詳。ミレトス人ヘゲサンドロスの子。ペルシア,エジプトなどを広く旅行して,直接の見聞を散文(イオニア方言)で書き,地誌,風俗・習慣の記録,奇異な物語などを数多く残した。彼に類する歴史家たちは物語作者(ロゴグラフォイ)とよばれる。ヘカタイオスはその代表的存在で,《世界周航記》ではエウロペ(ヨーロッパ)とアシエ(アジア)の二部に分け,後者にはエジプトとリビアを含ませた。

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大辞林 第三版の解説

ヘカタイオス【Hekataios】

ギリシャの歴史家。紀元前六~五世紀に活躍。当時知られていた世界をヨーロッパとアジアに分けて記述した地誌「世界周航記」を著す。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヘカタイオス
へかたいおす
Hekataios
(前550ころ―前475ころ)

古代ギリシアの歴史家、地理学者。小アジアのミレトス出身。叙事詩、叙情詩の表現形式がギリシアで生まれたのちに、詩の韻律に束縛されずに自由に表現できる散文で記述した「ロゴポイオイ」と称される人々の最初期の1人。その神話学的作品は『系図学』『歴史』の名称で伝わり、地理学的作品は『地誌』『世界周遊記』の名で伝わる。諸国を歴訪し、諸民族の風俗、文化や地理を記述してヘロドトスの先駆者となり、またアナクシマンドロスの地図を改良するなど、ミレトス学派の合理的な伝統のうえにたって活躍した。[豊田和二]
『原随園著『ヘカタイオスの研究』(『ギリシア史研究余滴』所収・1976・同朋舎出版)』

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