エウロペ(読み)えうろぺ(英語表記)Eurōpē

日本大百科全書(ニッポニカ) 「エウロペ」の意味・わかりやすい解説

エウロペ
えうろぺ
Eurōpē

ギリシア神話女性テロスのアゲアノル王とテレパサの娘で、カドモスとキリクスの姉妹がいる。大神ゼウスは、姉妹のなかでもひときわ美しいエウロペに心を動かし、白い牡牛(おうし)となって近づいた。初めは恐れていたエウロペが戯れにその牡牛の背にまたがると、突然牡牛は疾走して海を渡り、クレタ島に上陸した。2人はゴルティンの泉のほとりで交わり、やがてエウロペはミノス、ラダマンティス、サルペドンを生んだ。ゼウスは彼女に、青銅人間タロス、猟犬、投槍(なげやり)を与えた。そして、のちに彼女はクレタ島のアステリオン王の妻となり、3人の子を養子とした。彼女は死後神格化され、牡牛は星座のおうし座となった。また、エウロペが牛に乗ってやってきたという地域が、その名にちなんでヨーロッパになったと伝えられる。

[小川正広]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エウロペ」の意味・わかりやすい解説

エウロペ
Eurōpē

ギリシア神話の女性。フェニキアの王アゲノルの王女であったが,雄牛に変身したゼウスによってさらわれ,その背に乗ったまま海を渡ってクレタ島に連れていかれ,そこでゼウスと交合し,ミノスサルペドンラダマンチュスの3人を生んだあとで,当時クレタの王であったアステリオスの妃になったという。

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