ベニスの商人(読み)ベニスのしょうにん(英語表記)The Merchant of Venice

  • ベニスのしょうにん ベニスのシャウニン
  • ベニスのしょうにん〔のシヤウニン〕
  • ベニスの商人 The Merchant of Venice

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イギリスの劇作家シェークスピア喜劇。5幕 20場。 1596年頃執筆。ベニスの商人バサーニオはベルモントの佳人ポーシア求婚するため友人アントニオ借金を申込む。アントニオはユダヤ人の金貸しシャイロックから胸の肉1ポンドをかたに金を借りる。アントニオは期日がきても金を返せず殺されかけるが,ポーシアが法学者に変装して肉は切取っても血を流してはならぬという裁きを下し,シャイロックは財産を没収される。本来はバサーニオとポーシアの恋の喜劇であるが,シャイロックを悲劇的人物とする近代的解釈がなされた。求婚に際しての箱選びの場面と人肉裁判法廷の場が有名。

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デジタル大辞泉の解説

《原題The Merchant of Veniceシェークスピアの喜劇。5幕。1596年ごろの作。ユダヤ人の高利貸しシャイロックからの借金を返済できないベニスの商人アントニオが、ポーシアの機知によって救われるまでを描く。

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百科事典マイペディアの解説

シェークスピア作の喜劇。《The Merchant of Venice》。5幕。推定初演1597年。ユダヤ人の金貸シャイロックは借金を返済できぬアントーニオから証文どおり胸の肉を切りとろうとするが,男装して裁判官に化けたポーシャ機転で敗訴する。19世紀以後シャイロックの悲劇的存在について解釈が行われている。日本では1885年《何桜彼桜銭世中(さくらどきぜにのよのなか)》として翻案上演され,最初に紹介されたシェークスピア劇となった。

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世界大百科事典 第2版の解説

イギリスの劇作家シェークスピアの喜劇。1597年ころ作。題材は1558年イタリアで出版された物語集《馬鹿者》その他から得たと思われる。ベニスの商人アントーニオは親友バッサーニオがベルモントに住むポーシャのもとに求婚に出かけるための資金を,ユダヤ人の高利貸シャイロックからみずからの肉1ポンドを抵当に借りるが,やがて自己の所有する商船が難破したために返済不能となって,命を奪われそうになる。バッサーニオと結婚したポーシャは夫の恩人の急を聞くや,ひそかに男装し法学博士としてベニスの法廷に現れ,肉は与えるが血は一滴たりとも許さぬと判決する。

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大辞林 第三版の解説

シェークスピアの喜劇。五幕。1596年頃作。ベニスの商人アントニオは、高利貸しシャイロックからの借金を返済できなくなり、代わりに自分の肉一ポンドを取られそうになるが、男装して裁判官となった親友の妻ポーシャの機転に救われる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イギリスの劇作家シェークスピアの五幕喜劇。1597年ごろの作。イタリアの物語から取材したもので、人肉質入れ物語と箱選びの物語を組み合わせている。
 ベニスの商人アントニオは、親友バサーニオからベルモントに住むポーシャ姫に求婚するための旅費の調達を依頼され、持ち船を担保にユダヤ人の高利貸シャイロックから借金し、返済不能の場合は自分の肉1ポンドを提供する証文を与える。ポーシャは求婚者たちに金、銀、鉛の三つの箱を示し、自分の肖像の入ったものを選ばせるが、バサーニオは鉛の箱をとって求婚に成功する。しかしアントニオは船が帰港しないので生命を奪われかけるが、男装したポーシャがベニス法廷の裁判官となり、肉は与えるが血を流してはならぬと宣言するので、シャイロックは敗訴となり、財産を没収され、キリスト教への改宗を命じられる。やがてアントニオの船は帰港し、シャイロックの純真な娘ジェシカも恋人ロレンゾと結婚する。
 ロマンチックな筋立てをもち、甘美な場面に富んだ喜劇であるが、当時のロンドン市民がもっていた金融業者に対する憎悪や反ユダヤ感情も背景をなしている。しかし作品の構想としては、シェークスピアはシャイロックを赤鼻の典型的なユダヤ人、すなわち憎まれ役として設定したのであろうが、人間として深く書き込んだがゆえに実在感の大きな人物となり、悲劇性を帯びるに至った。舞台でも19世紀以後はそのように上演されるのが通常である。[小津次郎]
『『ヴェニスの商人』(中野好夫訳・岩波文庫/福田恆存訳・新潮文庫)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

(原題The Merchant of Venice) 喜劇。五幕二〇場。シェークスピア作。一五九七年ごろ完成。一六〇〇年刊。高利貸シャイロックに苦しめられるベニスの商人アントニオの危難を、友人のいいなずけポーシャが機知に富んだ弁論によって救う話。

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