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ベンゾピレン benzopyrene

翻訳|benzopyrene

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ベンゾピレン
benzopyrene

化学式 C20H12 。縮合環式芳香族炭化水素の一つ。ベンツピレンともいう。数種の異性体が知られている。α体は淡黄色の結晶で融点 179~179.3℃。ベンゼントルエンなどに可溶。希薄なベンゼン溶液は紫色のケイ光を発する。コールタール,石油中などに含まれる。強い発癌作用をもつ。これが都市や工業地帯の粉塵中に発見され,肺との関連で注目された。自動車の排出ガス,化学工業の排出物,たばこなどに,他の多環性芳香族とともに低い比率で含まれている。現在,環境中の濃度,健康との関係について研究が続けられている。

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百科事典マイペディアの解説

ベンゾピレン

ベンツピレンとも。化学式はC2(/0)H12。ピレン環にベンゼン環がもう一つ加わった五環式芳香族炭化水素。コールタール中に少量,有機物質が燃えたときの煙やすすにも微量含まれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ベンゾピレン
べんぞぴれん
benzopyrene

ベンツピレン、ベンズピレンともいう。5個のベンゼン環が縮合した芳香族炭化水素で、2種の異性体が存在する。ともに淡黄色の結晶でコールタール中に含まれる。その一つであるベンゾ[a]ピレンはベンゼン中で蛍光を発する。水には不溶であるがエタノール(エチルアルコール)には微量ながら溶ける。コールタールには発癌(はつがん)性があり、コールタールとの接触の多い煙突掃除夫が癌にかかりやすいことが、1775年にイギリスのポットPercival Pott(1714―88)により初めて指摘された。その後、ピッチ、鉱油など煤(すす)以外にも発癌性物質が含まれることがわかった。1933年にクックJ. W. Cookがピッチからこの物資を分離して取り出し、動物に皮膚癌を発生させる作用があることをみいだした。現在ではベンゾ[a]ピレンそのものは発癌作用をもたないが、酸化されて9,10-エポキシドになり人体のDNA(デオキシリボ核酸)と反応して発癌の原因になるとされている。そのほか多環式縮合芳香族炭化水素類のなかにも、化学的刺激によって人工的な癌をつくりうるものが多く指摘されている。さらに多くの染料、とくにアゾ染料にも発癌性があることがみいだされた。このほか、たばこの煙のなかにも数種のピレンを骨格とする4~5環式芳香族炭化水素が含まれている。[向井利夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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