ベント（その他表記）vent

デジタル大辞泉

ベント（vent）

１ 壁などの穴。空気・煙・蒸気などを抜くための通気孔。開孔。
２ 原子炉で、原子炉圧力容器や原子炉格納容器内の圧力が異常に上昇した場合に、内部の気体を排出し、圧力を降下させること。→ウエットベント →ドライベント
３ ⇒ベンツ

ベント（bent）

「ベント芝」の略。「ベントグリーン」

出典　小学館

共同通信ニュース用語解説

ベント

原発事故で原子炉格納容器の圧力が高まった際、容器の破損などを防ぐため減圧して放射性物質を含んだ蒸気を外部に放出する措置。東京電力福島第1原発事故の前は、同原発のような沸騰水型で設備の設置が進んだが、加圧水型の原発には必要ないとされていた。第1原発事故でベントが国内で初めて行われた。その後、事故対策が強化され、新たな規制基準の下では、沸騰水型・加圧水型の双方で「フィルター付きベント」の設置が義務付けられるようになった。

更新日:2021年7月29日

出典　共同通信社 共同通信ニュース用語解説

精選版 日本国語大辞典

ベント

1. 〘 名詞 〙 ( [英語] bent ) 小糠草(こぬかぐさ)のこと。ヨーロッパ原産のイネ科の草。日本では、牧草として輸入されたが各地で野生化。ゴルフのグリーンの芝として用いる。

出典　精選版 日本国語大辞典

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ベント
Bent， James Theodore

[生]1852.3.20. ヨークシャー，リーズ
[没]1897.5.5. ロンドン
イギリスの探検家，考古学者。オックスフォード大学卒業。 1890年キリキア地方 (トルコ南部) の調査をはじめとして，1890年代に3回アフリカ探検を指揮し，エリトリア，アビシニア北部，スーダンを調査。さらにハドラマウトなど5回のアラビア探検をも指揮し，アラビア半島南部の調査と地図作成に尽力。主著『マショナランドの廃虚都市』 The Ruined Cities of Mashonaland (1892) 。

ベント
Bent， Charles

[生]1799.11.11. ウェストバージニア，チャールストン
[没]1847.1.19. ニューメキシコ
アメリカの毛皮交易商人。兄とともに現在のコロラド州アーカンソー川沿いで毛皮交易に従事，1828年交易所「ベントの砦」を建設。 46年ニューメキシコの文民総督，翌年メキシコ人とプエブロ・インディアンによる「タオスの反乱」の際殺害された。

ベント
vent

ベンツ，馬乗りともいう。背広やジャケット，コートのうしろ中央線 (センターベンツ) ，脇線 (サイドベンツ) などの開きのこと。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

世界大百科事典（旧版）内のベントの言及

【タカベ(鰖)】より

…本州中部以南に分布しているが，伊豆七島などでは漁獲量も多く，水産上重要な種の一つ。伊豆半島でシャカ，高知県柏島でベント，鹿児島県でホタと呼ぶ。鮮やかな青緑色の体に，眼の後方から尾びれに走る鮮やかな黄色縦帯のある美しい魚である。…

【トラップ】より

…【加藤 正和】(2)液体，気体，蒸気などを輸送する配管系から，その主要流体とは異質または異相の流体のみを自動的に排出する弁。具体的には，水配管からの空気排除を目的としたベント，空気配管からの凝縮水の排除を目的としたエアトラップ(空気トラップ)，蒸気配管からの復水の排除を目的としたスチームトラップ(蒸気トラップ)などがある。自動排出の原理は，排出する流体が一定量に達すると，密度差を利用して弁を開放するものが多い。…

※「ベント」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」