リーズ(読み)りーず(英語表記)Leeds

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リーズ」の意味・わかりやすい解説

リーズ
Leeds

イギリスイングランド中北部,ウェストヨークシャー地域北東部の都市。周辺を含めてリーズ地区を構成する。ロンドン北北西約 280kmにあり,エア川に臨む。ヨークシャー地方最大の都市で,イギリスの主要な文化の中心地の一つ。14世紀フランドル人により毛織物工業が導入され,16世紀中頃にはヨークベバリーと並ぶ羊毛工業の中心地になったが,産業革命炭田の開発により機械工業が優勢となった。さらに 19世紀中頃から衣料卸売産業が中心となり,イギリス衣料産業の中心地の一つとなった。今日では機械,電機製紙,印刷,食品加工,化学,家具など多様な工業が発達。銀行や保険会社,商業施設も多く,同地域の金融,商業の中心地でもある。リーズ大学(1904)をはじめとする高等教育機関や市立博物館その他の文教施設がある。旧市庁舎(1858)はビクトリア時代を代表する建物の一つで,コンサートホールとなっている。イングランド中北部の交通の要地で,鉄道,道路が分岐するほか,リーズ・リバプール運河が通じる。地区面積 552km2。地区人口 71万5402(2001)。都市人口 44万3247(2001)。

リーズ(公)
リーズ[こう]

「ダンビー(伯)」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リーズ」の意味・わかりやすい解説

リーズ
りーず
Leeds

イギリス、イングランド北部、ウェスト・ヨークシャー大都市県の都市。人口71万5404(2001)。ペニン山脈を横切って東西イングランドを結ぶエア川沿いの交通の要衝で、11世紀ごろから市場町として発展した。14世紀にフランドルの職人が羊毛工業を導入し、原料や豊富な水の存在のおかげで18世紀にイギリス最大の羊毛工業都市となり、同時にリンネル製品や麻の紡織でもイギリスの中心となった。この結果、19世紀なかば以後、衣服卸売業が盛んになり、現在もイギリス衣服産業の中心となっている。一方、リーズはヨークシャー炭田に近接し、鉄鉱石産出にも恵まれていたため、産業革命以降、鉄鋼業を中心とする近代工業都市として発展した。現在は衣服、航空機部品、電気機器、印刷、皮革などの諸工業が発達している。また、1770年のリーズ・リバプール運河開通により、リーズの交通の要衝としての地位はさらに高められ、商業、行政、文化の中心地としての発展も目覚ましい。市内には12世紀のカークストール修道院をはじめ、多くの教会、セント・アンズ大聖堂、トリエンナーレ音楽祭会場として知られる19世紀のコリンジアン・タウンホールなどがある。美術館、博物館、図書館などの公共建築物や市民公園も多い。1904年に総合大学となったリーズ大学は、自然科学工学などの分野で広く知られる。

井内 昇]

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