日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペテルブルグ大学」の意味・わかりやすい解説
ペテルブルグ大学
ぺてるぶるぐだいがく
Санкт‐Петербургский Государственный Университет имени А.А.Жданова/Sankt-Peterburgskiy Gosudarstvennïy Universitet imeni A. A. Zhdanova
正式名称はサンクト・ペテルブルグ記念ジダーノフ国立大学。ロシアの旧都サンクト・ペテルブルグの中央師範学校を母体に1819年に創設された大学。1924年に都市名が改称されたため、レニングラード大学と称していたが、ソ連崩壊後の1991年には旧来のペテルブルグ大学に復した。
設立当初は哲学・法学、史学・言語学、物理・数学の3学部であったが、1854年には東洋学部が増設され、モスクワ大学と並ぶロシアを代表する大学となった。とくに自然科学の分野で輝かしい伝統をもち、教授陣にはメンデレーエフ(化学)、パブロフ(生理学)、レンツ(物理学)、チェビシェフ(数学)などの碩学(せきがく)が名を連ねていた。またここで学んだ学生にはツルゲーネフ(作家)、チェルヌィシェフスキー(哲学)をはじめ、ロシア最高の思想家、科学者たちが含まれており、レーニンも1891年この大学の検定試験により法学士となっている。
第二次世界大戦中、一時サラトフに疎開していたが、戦後、壊滅した校舎は完全に復旧した。1999年現在、19学部(歴史学、言語学、東洋学、哲学、心理学、法学、経済学、国際関係学、経営管理学、数学・力学、応用数学、物理学、化学、生物・土壌学、医学、地質学、地理学、ジャーナリズム学、社会科学)のほかに、自然科学系の8研究所、植物園などがある。教員数約3000人、学生数約2万3000人。
[馬越 徹]