ペレス・デ・アヤラ(読み)ペレスデアヤラ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペレス・デ・アヤラ」の意味・わかりやすい解説

ペレス・デ・アヤラ
Pérez de Ayala, Ramón

[生]1880.8.9. オビエド
[没]1962.8.5. マドリード
スペイン詩人,小説家。第1次世界大戦中はブエノスアイレスの新聞の特派員として,ヨーロッパ,南北アメリカを回った。言語アカデミー会員 (1928) 。駐英大使 (31~36) 。内乱後アルゼンチンに亡命したが,1955年に帰国を許された。心理小説にすぐれ,中編『プロメテオ』 Prometeo (16) ,『日曜の光』 Luz del domingo (16) ,長編ベラルミーノとアポローニオ』 Belarmino y Apolonio (21) ,『虎のフアン』 Tigre Juan (26) などが代表作。

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百科事典マイペディア 「ペレス・デ・アヤラ」の意味・わかりやすい解説

ペレス・デ・アヤラ

スペインの小説家,詩人,評論家。初期には知的で象徴的な詩集小径の平和》(1903年)などを発表。随筆仮面》(1917年―1919年)では文明批評家としての炯眼(けいがん)を示した。しかし彼の本領は小説であり,前期には,写実的,悲観的色彩の濃い自伝的小説を,また後期には,作中人物が抽象的,象徴的に描かれる主知的な心理小説を多く発表し,特に後期作品の中から数々の傑作が生まれた。信仰理性の問題を描いた《ベラルミーノとアポロニーオ》(1921年),二人の〈ドン・フアン〉の間で揺れる女性を描いた《虎のフアン》(1926年)などがその代表である。

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