翻訳|Pentagon
アメリカ合衆国国防(総)省Department of Defenseの通称。バージニア州アーリントンのポトマック河畔にあり,建物が五角形pentagonをしているのでそう呼ばれる。陸,海(海兵隊を含む),空の三軍のほか統合参謀本部Joint Chiefs of Staff,調達部門を含め,一省としてはおそらく世界最大の規模(民間人雇用者数約99万人。1982)。1947年の国家安全保障法National Security Actにより創設されたが,その主たるねらいは,第1次,第2次世界大戦以来しばしば指摘されてきた陸,海軍の対立,作戦面での不整合を最高指揮系統の一本化によって解消し,また戦後の冷戦状況下でより機能的,合目的的な国防政策体系を確立することであった。なお,これを機に空軍は陸軍省から独立した。この統合・再編成により,それまでの陸,海軍長官の地位は格下げのかたちになり,大統領→国防長官の指揮命令下におかれるが,実際には各軍の独立性意識はなお根づよく,したがって歴代の国防長官をみてみても,三軍に抑えの利く大物民間人が起用されている。
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(細谷正宏 同志社大学大学院アメリカ研究科教授 / 2007年)
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アメリカ国防総省の俗称。庁舎が五角形(ペンタゴン)であるのでこの名がある。本省は首都ワシントンにあり、世界最大の官庁建造物である。国防総省は200万の現役軍人と100万の文官職員を擁する。1947年の国家安全保障法によって陸海空軍を統轄する国家軍事省が設置され、49年の法改正で国防総省となった。合衆国軍隊の総司令官である大統領の下で、文官の国防長官を長とし、長官事務局、陸海空各軍省、統合参謀本部、統合軍および特定軍で構成される。各軍事省の長官は文官であり、国防長官の下に置かれる。統合軍、特定軍の司令官は、作戦について統合参謀本部を通じて大統領、国防長官の指揮を受ける。
[亀野邁夫]
『日高義樹著『ペンタゴン――米国防総省の内幕』(1973・日本放送出版協会)』
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…トルーマン政権下でも海軍長官を務め,早くから対ソ警戒的な立場を示し,その観点から第2次大戦の終結と,冷戦に向かう対ソ政策に影響力を及ぼした。47年の国防総省(ペンタゴン)の創設には中心的役割を果たし,その初代長官となった。【五百旗頭 真】。…
※「ペンタゴン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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