翻訳|bombe
ガスボンベの略称。圧縮ガスや液化ガスを充てんする移動式の高圧ガス容器。圧力の高い場合は150kgf/cm2にも達するので,爆発事故を防ぐために良質の鋼で製造され,高圧用には継目なし構造,低圧用には溶接構造の容器が用いられ,これらはすべて高圧ガス取締法によって耐圧試験,気密試験を行い合格したものが使用される。なお内容積100cm3以下のボンベは取締法の対象とならない。ボンベには肩部に容器製造者符号,充てんガス名称,容器の記号と番号,内容積,容器重量,耐圧試験年月,耐圧試験圧力,最高充てん圧力が刻印されている。ボンベには充てんガスの種類を示す定められた色を外部に塗ることになっている。すなわち酸素は黒,水素は赤,炭酸ガスは緑,アンモニアは白,塩素は黄,その他のガスはねずみ色に塗色する。付属のバルブは可燃性ガスでは左ねじ,その他は右ねじとなっているが,例外もある。容器内でガス状のものの最高充てん圧は35℃において150kgf/cm2に定められている。容器内で大部分が液体のものの最高充てん量は重量で定められ,液化ガスの種類に応じ定数(充てん定数)によってG=V/Cという式から求める。ここでGは液化ガスの重量(kg),Vはボンベの内容積(l),Cは充てん定数(塩素=0.8,アンモニア=1.86,プロパン=2.35など)である。なお充てん定数の逆数1/Cを充てん比といい,容器内容積1l当りの液化ガスの充てん質量(kg)で示す。
ボンベは3年ごとに再検査を受けることになっており,刻印および容器証明書に成績を裏書するが,プロパンの小容器(6年ごと)など例外もあり,また3年を経過してもガスを使用中であれば,詰替えに際して再検査を受けることになる。
執筆者:木村 尚史
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
水素、酸素、液化天然ガス(プロパンガス)、液化石油ガスなどの圧縮ガスを入れ、それを貯蔵、運搬、使用の目的に使うための鋼製の耐圧容器。比較的高くない圧の液化ガス、たとえばアンモニア、プロパン、ブタンなどを入れるのには、溶接などで組み立てられた厚さの薄い容器が用いられる。一方、150気圧ぐらいの高圧ガス、たとえば水素、酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、メタンなどを入れるのには、耐圧性の大きな継ぎ目なしの厚い容器を用いる。通常7立方メートル(1気圧換算気体容積)、高さ1.5メートルぐらいの大形、1.5立方メートル(1気圧換算気体容積)、高さ1メートルぐらいの小形などがある。ボンベは入れるガスの種類によって外部の塗装の色を定めてあり、間違いによる危険を防止している( )。ボンベに入った気体を使うのには、減圧弁を取り付けて圧を下げて取り出す。減圧弁にも低圧用と高圧用があり、いずれによるにしても放出ガスの圧と流量が微調整できるようになっている。ボンベは直射日光、火や振動を避け、また転倒防止の架台や鎖で固定して使う。
[戸田源治郎]
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