ポスタン(英語表記)Postan, Michael Moisei

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ポスタン
Postan, Michael Moisei

[生]1898.9. ベッサラビア,ティギーナ
[没]1981.12.12. ケンブリッジ
ロシア生れのイギリスの経済史家。ロンドン大学卒業後,1927年母校の歴史学講師,31年ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス経済史講師,35年ケンブリッジ大学ピーター・ハウスのフェロー,ケンブリッジ大学講師,38~65年同大学経済史教授。その間 34~60年には"Economic History Review"誌を編集。 15~16世紀のイギリス経済史に造詣が深く,夫人 E.パワーとの共著"Studies in English Trade in the Fifteenth Century" (1933) や"Manorial Profits" (54) があり,現代史に関する"An Economic History of Western Europe,1945-64" (67) ,論文集『史実と問題意識』 Fact and Relevance; Essays in Historical Method (71) など著書多数。

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百科事典マイペディアの解説

ポスタン

英国の経済史家。ロシアのベッサラビアに生まれ,各地の大学を移ったあと1919年英国に亡命し,1927年ロンドン大学講師となる。1937年同大学で教えていたE.パウアと結婚。1938年ケンブリッジ大学教授(−1965年)。専攻領域は中世英国農業史。マナー制度の崩壊過程をめぐってコスミンスキーと交わした論争で有名。主著の《中世の経済と社会》(1972年),論文集《イギリス封建社会の展開》(1950年)は翻訳があり,また第2次大戦後の経済を論じた《戦後ヨーロッパ経済史――1945−60》(1967年)も翻訳で読むことができる。編集主幹として英国の経済史《経済史評論》を国際的な学会誌に育てあげ,国際経済史学会の会長も務めた。

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世界大百科事典 第2版の解説

ポスタン【Michael Moissey Postan】

1899‐1981
イギリスの経済史家。ロシアのベッサラビアに生まれ,各地の大学を転々としたのち,1919年イギリスに亡命,翌年ロンドン大学に入学した。37年に同大学で教えていた中世史家E.E.le P.パワーと結婚した。同大学講師からケンブリッジ大学に移り,38年教授となる。マナー制度の崩壊過程について経営史的,ネオ・マルサス主義的な手法を適用し,E.A.コスミンスキーと対立したことが日本ではとくによく知られているが,産業革命期や現代の経済史についても,優れた業績を残している。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ポスタン
ぽすたん
Michael Moissey Postan
(1898―1981)

イギリスの経済史家。ロシアのベッサラビアに生まれ、若くしてイギリスへ移住。ロンドン大学を卒業後、同大学の講師を経て、1935年にケンブリッジ大学に移り、1939~1965年の間同大学経済史教授を務めた。1937年、彼の師で中世史学者のアイリン・パワーと結婚したが、3年後死別。ポスタンは、長年にわたって『経済史評論』の編集に携わるとともに、同誌に多くの論文を発表し、中世経済史研究の第一人者の地位を確立した。主要著作には『15世紀イギリス商業の研究』(1933)や『中世末期の人口減少の経済的根拠』(1950)など商業史と人口史についての業績のほかに、イギリスの賦役の金納化を扱った『賦役の年代考証』(1937。邦訳は『イギリス封建社会の展開』に収録)、封建制の危機について独自の見解を展開した『15世紀』(1939。邦訳同上)や、彼のイギリス中世経済史研究の総括ともいうべき『中世の経済と社会』(1972)などがあり、いずれも高い評価を受けた。第二次世界大戦後は現代史に強い関心を示し、『西ヨーロッパ経済史――1945~1964年』(1967。邦訳書名は『戦後ヨーロッパ経済史』)を著した。[根本久雄]
『宮下武平・中村隆英監訳『戦後ヨーロッパ経済史』(1969・筑摩書房) ▽佐藤伊久男訳『イギリス封建社会の展開』第2版(1976・未来社) ▽保坂栄一・佐藤伊久男訳『中世の経済と社会』(1983・未来社)』

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