マッキントッシュ(読み)まっきんとっしゅ(英語表記)Sir James Mackintosh

デジタル大辞泉 「マッキントッシュ」の意味・読み・例文・類語

マッキントッシュ【Macintosh】[パソコン]

米国アップル社が1984年から開発・販売しているパソコンブランド名。略称、マック。
[補説]名称はリンゴの品種名(McIntosh)にちなむ。

マッキントッシュ(McIntosh)

リンゴの一品種。カナダ原産で寒地に適する。名称は発見者のジョン=マッキントッシュにちなむ。日本名はあさひ

マッキントッシュ(macintosh)

ゴム引きの)雨天用の外套。レインコート。ゴム引き防水布を考案した開発者の名にちなむ。

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精選版 日本国語大辞典 「マッキントッシュ」の意味・読み・例文・類語

マッキントッシュ

  1. [ 1 ] ( Charles Rennie Mackintosh チャールズ=レニー━ ) イギリスの建築家、デザイナー。マクドナルド姉妹、マックネルとともに四人組を結成。独自のアールヌーボー風の有機的デザインを追求し、ゼツェシオンなどにも大きな影響を与えた。晩年は水彩画に専心。代表作、グラスゴー美術学校。(一八六八‐一九二八
  2. [ 2 ] ( [英語] mackintosh ) ゴム引き防水布。一般に雨用外套に用いられる。考案者のスコットランドの化学者名にちなむ。

マッキントッシュ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] Macintosh ) 米国アップルコンピュータ社製のパソコン。同社が開発した独自のOSを搭載している。略称マック(Mac)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「マッキントッシュ」の意味・わかりやすい解説

マッキントッシュ(パソコン)
まっきんとっしゅ
Macintosh

アメリカのアップル社製のパソコン。Mac(マック)と略称される。1984年に発売され、GUIを採用して市場で成功したものとしては最初のパソコンとなった。その使いやすさはマイクロソフト社のウィンドウズ開発に大きな影響を与えた。アップル社は初期のマッキントッシュの成功にもかかわらず、MS-DOSないしウィンドウズを搭載したIBM互換機に押されて、一時は極端な業績不振に陥った。しかし、1998年に発売されたiMACの斬新(ざんしん)なデザインが受けて、ふたたび業績を伸ばした。そのオペレーティングシステム(OS)は幾多の変遷を経て、現在はMac OSとよばれる。IBM互換機はハードウェアソフトウェアとが分離して開発、発売されるのに対し、それらを一体化して開発、発売するMacは、それが強みであると同時に弱みにもなっている。

[田村浩一郎]

『オーエン・W・リンツメーアー著、林信行・柴田文彦訳『アップル・コンフィデンシャル――誰も書かなかったアップル・コンピュータ20年の真実』(2000・アスキー)』『スコット・ケルビー著、大谷和利訳『マッキントッシュ その赤裸々な真実!』(2003・毎日コミュニケーションズ)』『斎藤由多加著『林檎の樹の下で――アップル日本上陸の軌跡』復刻版(2003・毎日コミュニケーションズ)』


マッキントッシュ(Charles Rennie Mackintosh)
まっきんとっしゅ
Charles Rennie Mackintosh
(1868―1928)

イギリスの建築家、デザイナー。グラスゴーに生まれ、同地の美術学校で建築を学ぶ。1891年イタリアに留学。93年以降、マクドナルド姉妹、マックネルとともに「四人組」とよばれるグループをつくり、アール・ヌーボー風の有機的なデザインを追求した。これによるクランストン・ティールーム(1897~98)はウィーン分離派の芸術家に大きな影響を与え、その名声は本国よりもヨーロッパ大陸で高まった。代表作にグラスゴー美術学校(1898~99)、同図書館(1907~09)、同地のヘレンスバラのヒル・ハウス(1902~03)など多くの住宅設計がある。1913年ロンドンに移り、建築との関係を絶って家具や布地のデザインに従事し、23年にはフランスに移住して水彩画に専念、ロンドンに没した。

[高見堅志郎]


マッキントッシュ(Sir James Mackintosh)
まっきんとっしゅ
Sir James Mackintosh
(1765―1832)

スコットランド出身の法律家、政治家、評論家。E・バークの『フランス革命の省察』(1790)に対し、『フランス擁護論』Vindiciae Gallicae(1791)を書いて批判し、知られるようになった。18世紀的な自然法の立場から、歴史の著書などもある。ボンベイ(現ムンバイ)で裁判官を務め、のち1813年から下院議員となり、ホイッグ党員として選挙法改正刑法改正などに努力した。

[白井 厚]

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改訂新版 世界大百科事典 「マッキントッシュ」の意味・わかりやすい解説

マッキントッシュ
Charles Rennie Mackintosh
生没年:1868-1928

イギリスの近代建築家,家具デザイナー,画家。グラスゴーに生まれ,設計事務所に勤めるかたわらグラスゴー美術学校で建築を学び,奨学金を受け1891年にイタリアに旅行。同美術学校の仲間(一人はのちに結婚したマーガレット)と〈四人組〉を結成。93年ころから活発に活動し,ポスター,家具,工芸品などのデザインに,古代ケルト人のモティーフ,植物や人体に基づく曲線,さらに浮世絵に学んだ斬新な表現法等により,ヨーロッパ大陸のアール・ヌーボーに呼応する動きとして注目を浴びる。彼自身もウィーン・ゼツェッシオン展(1900),トリノの国際装飾展(1902)に出品し,高い評価を得た。グラスゴー美術学校新築の競技設計(1896)に入賞,2期にわたる全工事(1909)を担当し,彼の代表作となる。97年よりグラスゴーに設計した一連の喫茶店には,室内装飾の才覚がよく発揮された。ここでは内装,家具はもとより,食器もデザインし,(イングラム街の店,1903)柳の木を中心的モティーフとしたソーチーホール街の店(1904)は,〈ウィロー・ティールーム〉として知られる。彼が手がけた住宅,ヒル・ハウス(ヘレンズバラ,1903)は,隅の塔状の部分などスコットランドの伝統を受け継ぐ外観をもつが,非対称的な平面計画,寝室の白に統一された色調,植物に基づくモティーフで表現される室内装飾を特徴とする。1914年にグラスゴーを離れ,ロンドンに移って壁紙などをデザインするが建築作品を残すことなく,晩年には水彩画に没頭すべくフランスに渡った。ロンドンで没。
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IT用語がわかる辞典 「マッキントッシュ」の解説

マッキントッシュ【Macintosh】

アップルが開発したパソコンのシリーズ名。1984年に発売。当初から優れたGUI環境とWYSIWYG(ウィジウィグ)表示を実現し、グラフィックデザインやDTPの分野で好んで用いられた。1994年にアップル・IBM・モトローラが共同開発したマイクロプロセッサーPowerPC」を搭載したPower Macintoshが登場。◇略して「Mac(マック)」ともいう。

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百科事典マイペディア 「マッキントッシュ」の意味・わかりやすい解説

マッキントッシュ

英国の建築家,家具デザイナー,画家。グラスゴー生れ。設計事務所勤務のかたわらグラスゴー美術学校で建築を学ぶ。1890年代初期に同校の仲間と〈四人組〉を結成。スコットランドの伝統,古代ケルトのモティーフ,植物や人体にもとづく曲線などを用いたポスター,家具,工芸品を制作し,アール・ヌーボーと呼応する動きとして注目される。なかでも〈ウィロー・ティールーム〉(1903年)に代表されるグラスゴーの喫茶店の装飾は名高い。建築の作表作にはグラスゴー美術学校(第1期,1899年)やヒル・ハウス(1903年)などがある。またグラスゴー美術学校の第2期(1909年)では,それまでの曲線を捨てて水平・垂直の構成を用い,近代建築への道を開いた。同傾向のデザインの椅子〈ハイバック・チェア〉も知られる。晩年は水彩画を描いた。
→関連項目埼玉県立近代美術館

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マッキントッシュ」の意味・わかりやすい解説

マッキントッシュ
Mackintosh, Hugh Ross

[生]1870.10.31. ベーズリー
[没]1936.6.8. ストーノウェー
スコットランドの自由教会派神学者,牧師。マキントッシュともいう。エディンバラ大学に学んだのちドイツの諸大学に遊学。聖書批評学や神学者 A.リッチュルの影響を受け,彼の教説を英語圏に紹介した。人間の業に先立つ神のイニシアチブを強調し,神による罪の許しを福音の中心と理解した。キリスト論においては神の子キリストが受肉することによってその神性を放棄したとするケノーシス論の立場に立った。主著『イエス・キリストのペルソナ論』 The Doctrine of the Person of Jesus Christ (1912) ,『許しのキリスト教的体験』 The Christian Experience of Forgiveness (1927) ,『現代神学の類型,シュライエルマッハーからバルトまで』 Types of Modern Theology,Schleiermacher to Barth (1937) 。

マッキントッシュ
Mackintosh, Charles Rennie

[生]1868.6.7. グラスゴー
[没]1928.12.10. ロンドン
スコットランドの建築家,デザイナー,水彩画家。建築事務所で働きながらグラスゴー美術学校の夜学に通い,1889年にハネマン・アンド・ケッピー建築会社の社員,1904年に同社の共同経営者となった。 1899年のイタリア旅行から本格的に建築の勉強を始め,のちに夫人と H.マクネアー,美術学校校長 F.ニューベリーとともにグラスゴー派「4人組」を結成して,ポスターや工芸,家具などを制作,さらに住宅設計や室内装飾分野に活躍。アール・ヌーボー様式の作風は,ウィーンのゼツェッシオン展覧会 (→ゼツェッシオン館 ) をはじめ各地の展覧会を通じ,また雑誌"The Studio"に紹介されて国際的な評価を得た。作品はグラスゴー美術学校校舎 (1896~1909) ,ヒルハウス (02~03,ハレンスブルグ) 。

マッキントッシュ
McIntosh, William

[生]1775頃.ジョージア,カロル
[没]1825.5.1. ジョージア,カロル
アメリカインディアン,クリーク族族長。イギリス人とインディアン女性との混血。 1812年のアメリカ=イギリス戦争の際アメリカを助けてイギリス=インディアン軍を攻撃。 17~18年のセミノール戦争 (第1次) に A.ジャクソンのもとで連邦軍准将として参加し,ジョージア西部からクリーク族を強制移住させるために尽力,25年に土地譲渡の条約に調印し,裏切者として同じクリーク族に殺された。

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367日誕生日大事典 「マッキントッシュ」の解説

マッキントッシュ

生年月日:1765年10月24日
スコットランドの評論家,政治家
1832年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

パソコンで困ったときに開く本 「マッキントッシュ」の解説

マッキントッシュ

⇨マック

出典 (株)朝日新聞出版発行「パソコンで困ったときに開く本パソコンで困ったときに開く本について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「マッキントッシュ」の解説

マッキントッシュ

Mac」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のマッキントッシュの言及

【ヒューマンインターフェース】より

…しかし,コマンドをキーボードから入力するタイプの交流は操作性,信頼性,わかりやすさの点で,とりわけ,初心者ユーザーにとっては十分ではないため,新たな交流のタイプの実現が求められるようになった。 1984年に一般ユーザー向けに発売されたマッキントッシュ(Apple社)には,今では基盤的なHI技術となっている,グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)と直接操作性とが組み込まれた。これによって,HIは,コンピューターとの新たな交流の世界を広く普及させることになった。…

【イギリス美術】より

…また緑地に囲まれた独立的な都市の建設を提唱したE.ハワードの〈田園都市garden city〉構想は,理想主義的色彩が強いが,各国の都市計画に大きな影響を及ぼした。またグラスゴー美術学校(1897‐99)の設計で知られるC.R.マッキントッシュは,イギリスのアール・ヌーボーを代表する建築家,工芸家であるが,彼の機能主義的な一面は,ドイツ,オーストリアの建築家(ロース,ベーレンスら)にも影響を与えた。 20世紀のイギリス建築の主流はいわゆる国際様式に追随しているが,その一方ではハワードの〈田園都市〉構想の影響下に,自然とのつながりを重視してつくられたサセックス大学(1960)など,伝統を反映した作品も生まれている。…

【ウィーン工房】より

…特にホフマンの業績は大きく,その代表作はブリュッセルのストックレー邸(1905‐11)であり,その室内装飾,家具,食器等生活用品のすべてをウィーン工房が担当したが,壁面装飾はクリムトが受けもった。これらの作品に指摘されるのは,グラスゴーの鬼才マッキントッシュの直線的な装飾原理との関連である。ウィーン工房設立の財政的擁護者であるフリッツ・ウェンドルファーが工芸家の一群をスコットランドに派遣して当地の工芸を実地に学ばせたほど,この工房とスコットランドの関係,特にマッキントッシュの空間処理の影響は強かった。…

【近代建築】より

…アール・ヌーボーの代表的作例であるオルタによるタッセル邸(1892‐93)やギマールによるパリの地下鉄入口では,創意に満ちた曲線的モティーフが見られた。同時にアール・ヌーボーの周辺では,〈シカゴ派〉に属するL.H.サリバンが高層ビルの原型を実現しつつあり,グラスゴーではマッキントッシュがオーストリアに影響を与えることになる直線的様式を発展させつつあり,またスペインのガウディは,ゴシック原理に基づきつつ,うねるような曲線を多用した独自の造形を追究していた。北欧やオランダでは中世建築の手づくりの造形を新しく再生させる試みがつづけられ,20世紀に入ってから,〈アムステルダム派〉を形成してゆく。…

※「マッキントッシュ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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