マルトース

化学辞典 第2版の解説

マルトース
マルトース
maltose

4-O-α-D-glucopyranosyl-D-glucose.C12H22O11(342.30).麦芽糖ともいう.Glcp(α1→4)Glcpで示される還元性二糖.デンプンの基本構成単位で,植物の種子の発芽の際にデンプンが分解利用される中間体としてできるほかは,天然にはあまり知られていない.デンプンを麦芽のアミラーゼで分解すると,デキストリングルコースとともに生じるので,アルコールで分別沈殿させてつくる.βマルトースの一水和物は融点102~103 ℃.+111.7→+130.4°(水).これを真空乾燥するとαマルトースの無水物が得られる.融点108 ℃.+123°(水).還元性があり,酵母により酸性で発酵される.ショ糖の1/3程度の甘味があり,甘味剤,栄養剤として使われる.LD50 35000 mg/kg(ラット,経口).[CAS 69-79-4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マルトース
まるとーす
maltose

D-グルコース2分子がα(アルファ)-1・4結合した二糖で、デンプン溶液に麦芽maltあるいは麦芽から抽出した糖化酵素(アミラーゼ)を作用させると生成するところから麦芽糖ともよばれる。還元性を示し、比較的強い甘味をもち、水によく溶ける。デンプンの構成単位で、α-D-グルコシダーゼ(マルターゼ)によって加水分解され、グルコースになる。動物ではよく消化吸収される。通常、β(ベータ)型の一水化物として結晶し、変旋光を示す。

[村松 喬]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マルトース
maltose

化学式 C12H22O11麦芽糖ともいう。グルコース2分子から成る還元性二糖類。麦芽中に含まれる酵素アミラーゼでデンプンを加水分解して生じるから得られ,通常β体の1水和物として結晶する。針状晶,融点 102~103℃。水に可溶,アルコールに難溶。甘味をもつ。自然界に広く存在し,人体に対しても同化力が強く,滋養糖として用いられる。

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世界大百科事典内のマルトースの言及

【炭水化物】より

…少糖は単糖が2~20個程度,多糖はさらにそれ以上結合したものである。単糖の例としてはブドウ糖(グルコース),ガラクトース,また少糖の例としてはグルコースが2分子結合した麦芽糖(マルトース),グルコースと果糖(フルクトース)が結合したショ糖(砂糖),グルコースとガラクトースが結合した乳糖(ラクトース)をあげることができる。多糖にはデンプングリコーゲンセルロースなどがある。…

【麦芽糖】より

マルトースともいう。グルコースが2分子結合した二糖類の一種で,デンプンに麦芽を作用させて得たところからこの名称がついた。…

※「マルトース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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