ミリタリーバランス

デジタル大辞泉 「ミリタリーバランス」の意味・読み・例文・類語

ミリタリー‐バランス(The Military Balance)

英国の国防戦略研究所IISS)が毎年刊行している世界各国軍事力についての報告

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共同通信ニュース用語解説 「ミリタリーバランス」の解説

ミリタリー・バランス

紛争問題や安全保障政策、軍備管理研究、軍事分析などで知られる英国のシンクタンク国際戦略研究所(1958年設立)の代表的な定期刊行物で、各国の軍事情勢や地域情勢をまとめた年次報告書。同研究所は、中東バーレーン、シンガポール、米ワシントンにも拠点を持つ。2019年版では中国の兵器近代化が急速に進んでいると指摘した。(共同)

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精選版 日本国語大辞典 「ミリタリーバランス」の意味・読み・例文・類語

ミリタリー‐バランス

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] The Military Balance ) イギリスの国防戦略研究所が一九五九年以来、毎年九月に刊行している世界各国の軍事力についての報告。普通名詞として、一般的な軍事力のバランスについてもいう。

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百科事典マイペディア 「ミリタリーバランス」の意味・わかりやすい解説

ミリタリー・バランス

英国の国際戦略研究所International Institute for Strategic Studies(略称IISS)が毎年発行する世界の軍備状況に関する報告書。同研究所は1958年に創設された民間のシンク・タンクで本部はロンドン。研究スタッフは専任研究員31名を含む約40名。所長は英国人だが,4人の副所長は英米仏日の構成。報告書は1部〈各国の軍備の動向〉,2部〈諸表と分析〉から成る。その報告内容の正確さと分析力において国際的にも高く評価されている。〈ミリタリー・バランス2014〉では米国軍事費減少傾向に転じる一方,金融危機後に歳出を増やした新興国が軍事面でも台頭した。上位15ヵ国の軍事予算に占める米国の割合が半分を割り米国の圧倒的優位にかげりが見え始めた。政府債務上限問題をめぐる議会の停滞もあって,軍事費は拡大した過去10年を経て減少へ向かっている。イラクでの軍事作戦を終えアフガニスタンでも撤収を進める米国の防衛支出は,国内総生産(GDP)比で5%近かった2008年からほぼ毎年減少し,同4%に近づいた。実際,冷戦後には軍事面で圧倒的な立場にあった米国の優位は薄れている。IISSの集計によると主要15ヵ国の2013年の軍事予算は,米国の約6000億ドル(約60兆円)に対しその他の14ヵ国が合計6300億ドル余。前年から7%も減った米国をその他の14ヵ国の合計額が追い抜いた。2008年から2013年にかけての軍事支出の増減では新興国は中国の43.5%,ロシア31.2%,ブラジル10%と大幅に増加。他方2008年秋以降の金融危機・ユーロ危機に苦しんだ欧米諸国は21.5%減のイタリアや9.1%減のイギリスなど,縮小もしくは横ばいだった。世界全体の軍事費は,財政難の欧米諸国の歳出削減に伴い2013年まで3年連続で減少。ミリタリー・バランスは日本語版も出版されている。→ストックホルム国際平和研究所
→関連項目英国国際戦略研究所

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世界大百科事典(旧版)内のミリタリーバランスの言及

【国際戦略研究所】より

…その活動は近代戦争の戦略問題を研究することにあり,各国の軍事問題の権威者が参加して開かれる国際顧問会議や,各国の専門家の研究成果を発表する年次大会がある。毎年出ている年報《ミリタリー・バランスMilitary Balance》と《ストラティジック・サーベイStrategic Survey》,随時出る《アデルフィ・ペーパーズAdelphi Papers》研究シリーズは,国際安全保障,核戦略,軍備管理,その他国防・軍事問題の分野における世界の最高・最先端のものを報告するもので,その発表内容は世界の動きに大きな影響をもつ。【岩島 久夫】。…

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